愛のヴィクトリアン・ジュエリー展 [アート&デザイン]
バレンタインズデーの先週末、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「愛のヴィクトリアン・ジュエリー展 華麗なる英国のライフスタイル」を鑑賞してきました。
1837年、18歳で大英帝国の女王となったヴィクトリア。
英国が最も繁栄した時代であり、産業革命の成果と世界各地の植民地の金鉱がジュエリーの世界を発展させました。
また、ドイツ人の夫、アルバートへの愛も英国のファションやライフスタイルに影響・変化をもたらしました。
会場構成は次のとおり。
プロローグ ヴィクトリア女王の愛
(メモ:ロンドンのV&Aミュージアムが創立されたのは1852年。ロンドンで第1回万国博覧会が開催された翌年)
Ⅰ アンティーク・ジュエリー
ヴィクトリアン・ジュエリーの特徴は、素材・デザイン・技法の多様性です。
(メモ:同一の素材とデザインで作られた一揃いのジュエリー=ティアラまたは髪飾り、ネックレス、ブレスレット、ブローチ、イヤリングをパリュールと呼ぶ。アイテムが不完全だとスウィート、アイテムが2種類のみの場合はセット)
ゴールド、パール、ダイヤモンド、エナメル、インタリオ(沈み彫り)&カメオ(浮き彫り)、モザイク、スコティッシュ(スコティッシュ産のメノウをデザインに合わせてカットし、銀台にはめこんだもの)、ピクウェ(べっ甲や象牙に金・銀・真珠の母貝を象嵌したもの)、アイボリー、その他多種多様な素材(雄牛の角、虎の爪、鮫の歯、珊瑚、蝶の羽、昆虫)。
(デザインに使われるモチーフにはそれぞれ象徴する意味があります。
ツバメ=幸運を運ぶ、忘れな草=私を忘れないで、蔦=永遠の愛、パンジー=私を想って、蛇=人間の寿命より長生きする愛、スズラン=幸福の再来、鳩=精霊の象徴)
カメオやジュエリーのデザイン画のほか、宝飾史上、最も貴重なものとして世界的に高く評価されている旧ジョン・シェルダンコレクションやルネサンス以降のカメオとインタリオのほとんどを収集したラファエル・イスメリアンのコレクション、NYCのメトロポリタン美術館に多くのコレクションを寄贈した旧ピアポント・モーガンコレクションの品々、英国王室にまつわる宝飾品などが展示されています。
(君主が家臣の忠実な奉仕に報い、その栄誉を称えるため宝飾品を与える伝統があったそうで、ロイヤルギフトまたはプレゼンテーションジュエリーと呼ばれます)
Ⅱ 歓びのウェディングから哀しみのモーニングへ
ヴィクトリアとアルバートがセント・ジェームズ宮殿の礼拝堂で結婚式をあげたのは1840年2月10日(私の誕生日と同じ!)。
●「純潔」を表すために乳白色のシルクサテンで作ったウェディングドレスを着用したのはヴィクトリア女王が初めて。頭にのせたオレンジの花輪も「純潔」を表し、オレンジは多産の象徴。レースのベールも国内の産業振興のため。
●指輪交換はアルバート公がドイツから持ち込んだ慣習。
●フルーツケーキにシュガーペーストの装飾をしたウェディングケーキが一般に広まったのもヴィクトリア女王の時代。教会の塔を模した三段で、下の段は招待客と分け合い、真ん中の段は欠席者へ配り、上の段は結婚記念日もしくは赤ちゃんが生まれるまで保存したそうです。
●結婚後はじめてのクリスマスに、アルバート公がドイツから取り寄せたクリスマスツリーを居室に飾って祝う絵が新聞に公表され、イギリス国民の憧れとなり普及した。
●夫の死後、喪服を着続けた女王。この頃、喪服に似合う黒いジュエリーが流行した。地中深くに堆積した流木が長い年月を経て化石化したジェットもその一つ。魔除けの意味がある。
●遺髪は亡くなった人との絆であり、ロケットの中に納め肌身離さず身につけた。
Ⅲ 優雅なひととき -アフタヌーンティー
1662年、チャールズ2世にとついだポルトガル皇女、キャサリンによって宮廷に広められた喫茶の習慣。ヴィクトリア時代にお茶を中心とした社交の習慣が公式な茶会へと発展した。
【おまけ】
Bunkamuraのドゥ・マゴ・パリでは特別記念メニューとしてローストビーフのグレービーソースにパン、コーヒーまたは紅茶がついたランチが提供されています。(1,680円)
イギリスでは、日曜はサンデーローストといってローストした肉、ジャガイモ、ヨークシャー・プディングや野菜の付け合わせを食べる伝統的な食事があります。
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1837年、18歳で大英帝国の女王となったヴィクトリア。
英国が最も繁栄した時代であり、産業革命の成果と世界各地の植民地の金鉱がジュエリーの世界を発展させました。
また、ドイツ人の夫、アルバートへの愛も英国のファションやライフスタイルに影響・変化をもたらしました。
会場構成は次のとおり。
プロローグ ヴィクトリア女王の愛
(メモ:ロンドンのV&Aミュージアムが創立されたのは1852年。ロンドンで第1回万国博覧会が開催された翌年)
Ⅰ アンティーク・ジュエリー
ヴィクトリアン・ジュエリーの特徴は、素材・デザイン・技法の多様性です。
(メモ:同一の素材とデザインで作られた一揃いのジュエリー=ティアラまたは髪飾り、ネックレス、ブレスレット、ブローチ、イヤリングをパリュールと呼ぶ。アイテムが不完全だとスウィート、アイテムが2種類のみの場合はセット)
ゴールド、パール、ダイヤモンド、エナメル、インタリオ(沈み彫り)&カメオ(浮き彫り)、モザイク、スコティッシュ(スコティッシュ産のメノウをデザインに合わせてカットし、銀台にはめこんだもの)、ピクウェ(べっ甲や象牙に金・銀・真珠の母貝を象嵌したもの)、アイボリー、その他多種多様な素材(雄牛の角、虎の爪、鮫の歯、珊瑚、蝶の羽、昆虫)。
(デザインに使われるモチーフにはそれぞれ象徴する意味があります。
ツバメ=幸運を運ぶ、忘れな草=私を忘れないで、蔦=永遠の愛、パンジー=私を想って、蛇=人間の寿命より長生きする愛、スズラン=幸福の再来、鳩=精霊の象徴)
カメオやジュエリーのデザイン画のほか、宝飾史上、最も貴重なものとして世界的に高く評価されている旧ジョン・シェルダンコレクションやルネサンス以降のカメオとインタリオのほとんどを収集したラファエル・イスメリアンのコレクション、NYCのメトロポリタン美術館に多くのコレクションを寄贈した旧ピアポント・モーガンコレクションの品々、英国王室にまつわる宝飾品などが展示されています。
(君主が家臣の忠実な奉仕に報い、その栄誉を称えるため宝飾品を与える伝統があったそうで、ロイヤルギフトまたはプレゼンテーションジュエリーと呼ばれます)
Ⅱ 歓びのウェディングから哀しみのモーニングへ
ヴィクトリアとアルバートがセント・ジェームズ宮殿の礼拝堂で結婚式をあげたのは1840年2月10日(私の誕生日と同じ!)。
●「純潔」を表すために乳白色のシルクサテンで作ったウェディングドレスを着用したのはヴィクトリア女王が初めて。頭にのせたオレンジの花輪も「純潔」を表し、オレンジは多産の象徴。レースのベールも国内の産業振興のため。
●指輪交換はアルバート公がドイツから持ち込んだ慣習。
●フルーツケーキにシュガーペーストの装飾をしたウェディングケーキが一般に広まったのもヴィクトリア女王の時代。教会の塔を模した三段で、下の段は招待客と分け合い、真ん中の段は欠席者へ配り、上の段は結婚記念日もしくは赤ちゃんが生まれるまで保存したそうです。
●結婚後はじめてのクリスマスに、アルバート公がドイツから取り寄せたクリスマスツリーを居室に飾って祝う絵が新聞に公表され、イギリス国民の憧れとなり普及した。
●夫の死後、喪服を着続けた女王。この頃、喪服に似合う黒いジュエリーが流行した。地中深くに堆積した流木が長い年月を経て化石化したジェットもその一つ。魔除けの意味がある。
●遺髪は亡くなった人との絆であり、ロケットの中に納め肌身離さず身につけた。
Ⅲ 優雅なひととき -アフタヌーンティー
1662年、チャールズ2世にとついだポルトガル皇女、キャサリンによって宮廷に広められた喫茶の習慣。ヴィクトリア時代にお茶を中心とした社交の習慣が公式な茶会へと発展した。
【おまけ】
Bunkamuraのドゥ・マゴ・パリでは特別記念メニューとしてローストビーフのグレービーソースにパン、コーヒーまたは紅茶がついたランチが提供されています。(1,680円)
イギリスでは、日曜はサンデーローストといってローストした肉、ジャガイモ、ヨークシャー・プディングや野菜の付け合わせを食べる伝統的な食事があります。
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2010-02-20 01:04
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コメント(2)
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とても興味深く読ませていただきました。
バレンタインが結婚記念日の我が夫婦、蛇の編みぐるみを
プレゼントしたのは、正解だったんだわ♪とちょっとうれしくなりました。
by Mrs.B (2010-02-22 20:09)
★Mrs.Bさん、ジュエリーを見に行ったのですが、学ぶことが多くてメモをいっぱいとりました。ついつい記事も長くなってしまい。
蛇の編みぐるみ、手作りできるって素敵ですね。
by いっこ (2010-02-22 23:38)