ボルゲーゼ美術館展 [アート&デザイン]
東京お出かけ記録に戻ります。
上野の東京都美術館で「ボルゲーゼ美術館展」を見てきました。
(ラファエロ・サンツィオ「一角獣を抱く貴婦人」1506年頃)
施設・設備の老朽化から、2年間の改修工事のため全面休館する前の最後の展覧会でした。
ローマ市北東部、ピンチアーナ門の北側に広がるボルゲーゼ公園の中にあるボルゲーゼ美術館。
名門貴族・ボルゲーゼ家の出身であり、ローマ教皇パウルス5世の甥であるシピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿(1576-1633)が夏を過ごすために建てた別荘で、大理石で飾られた白亜の館はローマ・カトリック教会の中央機関が外国からのお客様をもてなすためにも使われました。
上の左が美術館の外観、その隣がシピオーネの胸像。
イタリアのルネサンス期の邸宅をモデルにして建てられた、ロンドン郊外のChiswick House(チズィック・ハウス)に似ています。
シピオーネは17世紀を代表する大パトロンであり、ボルゲーゼ美術館のコレクションは、彼が集めた絵画・彫刻を出発点としており、ルネサンス・バロック美術の宝庫とされています。
序章 ボルゲーゼ・コレクションの誕生
15世紀後半から17世紀にイタリアで活躍した巨匠たちのまとまった作品のコレクション。
(1)理想の美を追求し続けたサンドロ・ボッティチェリ
(2)ルネサンスにおける調和という理想を体現するラファエロ・サンツィオ
(3)ヴェネツィア派を代表するヴェロネーゼ
(4)イタリア、ヨーロッパの絵画史において重要な位置を占めるカラヴァッジョら
Ⅰ 15世紀・ルネサンスの輝き
政治的にも経済的にも権勢を誇った都市国家フィレンツェで花開いたルネサンス。
ボッティチェリやサンツィオ、ダ・ヴィンチの絵は光と影のコントラストが特徴的。
(豊穣多産や復活を象徴するザクロ、貞淑や純潔を象徴する一角獣などを絵の中に描くことで意味を持たせる)
特別出品として、「ボルゲーゼと日本:支倉常長と慶長遣欧使節」の展示がありました。
(1613年、仙台藩主・伊達政宗が藩士・支倉らをメキシコ経由でスペイン、ローマへ派遣。スペイン国王、ローマ教皇に拝謁し、奥州への宣教師派遣とメキシコとの直接貿易について交渉するのが目的)
Ⅱ 16世紀・ルネサンスの実り -百花繚乱の時代
イタリア各地に拡がったルネサンス。
模範とされ、大きな影響力をもったのがラファエロ、ミケランジェロ。
(絵の中に描かれる白い百合は純潔の象徴)
Ⅲ 17世紀・新たな表現に向けて -カラヴァッジョの時代
16世紀の社会的混乱は、カトリック教会が一致団結して改めて民衆への布教を重視することを促し、それによって神学的な厳密さを守りつつ、感情に素直に訴えかけるバロック芸術が求められた。
(メスの鳩は豊穣の象徴)
【おまけ】
3月14日から4月10日まで、上野公園内のあちこちで「東京・春・音楽祭」ということで有料の音楽会や無料のミニコンサートが開かれていました。
東京都美術館の改修工事前の最終日閉館後、前庭でVive!サクソフォーン・クワルテットの演奏がありました。
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上野の東京都美術館で「ボルゲーゼ美術館展」を見てきました。
(ラファエロ・サンツィオ「一角獣を抱く貴婦人」1506年頃)
施設・設備の老朽化から、2年間の改修工事のため全面休館する前の最後の展覧会でした。
ローマ市北東部、ピンチアーナ門の北側に広がるボルゲーゼ公園の中にあるボルゲーゼ美術館。
名門貴族・ボルゲーゼ家の出身であり、ローマ教皇パウルス5世の甥であるシピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿(1576-1633)が夏を過ごすために建てた別荘で、大理石で飾られた白亜の館はローマ・カトリック教会の中央機関が外国からのお客様をもてなすためにも使われました。
上の左が美術館の外観、その隣がシピオーネの胸像。
イタリアのルネサンス期の邸宅をモデルにして建てられた、ロンドン郊外のChiswick House(チズィック・ハウス)に似ています。
シピオーネは17世紀を代表する大パトロンであり、ボルゲーゼ美術館のコレクションは、彼が集めた絵画・彫刻を出発点としており、ルネサンス・バロック美術の宝庫とされています。
序章 ボルゲーゼ・コレクションの誕生
15世紀後半から17世紀にイタリアで活躍した巨匠たちのまとまった作品のコレクション。
(1)理想の美を追求し続けたサンドロ・ボッティチェリ
(2)ルネサンスにおける調和という理想を体現するラファエロ・サンツィオ
(3)ヴェネツィア派を代表するヴェロネーゼ
(4)イタリア、ヨーロッパの絵画史において重要な位置を占めるカラヴァッジョら
Ⅰ 15世紀・ルネサンスの輝き
政治的にも経済的にも権勢を誇った都市国家フィレンツェで花開いたルネサンス。
ボッティチェリやサンツィオ、ダ・ヴィンチの絵は光と影のコントラストが特徴的。
(豊穣多産や復活を象徴するザクロ、貞淑や純潔を象徴する一角獣などを絵の中に描くことで意味を持たせる)
特別出品として、「ボルゲーゼと日本:支倉常長と慶長遣欧使節」の展示がありました。
(1613年、仙台藩主・伊達政宗が藩士・支倉らをメキシコ経由でスペイン、ローマへ派遣。スペイン国王、ローマ教皇に拝謁し、奥州への宣教師派遣とメキシコとの直接貿易について交渉するのが目的)
Ⅱ 16世紀・ルネサンスの実り -百花繚乱の時代
イタリア各地に拡がったルネサンス。
模範とされ、大きな影響力をもったのがラファエロ、ミケランジェロ。
(絵の中に描かれる白い百合は純潔の象徴)
Ⅲ 17世紀・新たな表現に向けて -カラヴァッジョの時代
16世紀の社会的混乱は、カトリック教会が一致団結して改めて民衆への布教を重視することを促し、それによって神学的な厳密さを守りつつ、感情に素直に訴えかけるバロック芸術が求められた。
(メスの鳩は豊穣の象徴)
【おまけ】
3月14日から4月10日まで、上野公園内のあちこちで「東京・春・音楽祭」ということで有料の音楽会や無料のミニコンサートが開かれていました。
東京都美術館の改修工事前の最終日閉館後、前庭でVive!サクソフォーン・クワルテットの演奏がありました。
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2010-04-20 00:19
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コメント(3)
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十数年前、ローマに1日だけ滞在した時、バチカン美術館に行くのを諦めて、ボルゲーゼ美術館に行ったことがあります。
ボルゲーゼ美術館は、入館者が少なく、ゆっくり美しい絵画、彫刻、美術品、調度品、室内装飾を見ることができました。
私の心に一番残ったのは、ベルニーニの『アポロンとダフネ』の彫刻で、細部にまで渡る美しさには、息を呑みました。
もし、また、ローマに行くことがあったら、もう一度、ボルゲーゼ美術館に行きたいです。
by アンズ (2010-04-20 08:25)
★アンズさん、うわー、実際にボルゲーゼ美術館に行ったことがあるんですね。私、この展覧会があるまで、その存在を知りませんでした。ローマにも実は行ったことがありません。(ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェには行ったのですが)
by いっこ (2010-04-22 22:37)
現在、ボルゲーゼ美術館は、事前予約しないと入館できないようですが、私が行った十数年前は、見学者は少なかったです。
いっこさん、もし、ローマに行かれる機会があったら、ボルゲーゼ美術館で、『アポロンとダフネ』の彫刻を見てください。
by アンズ (2010-04-23 08:18)