伊藤若冲アナザーワールド [アート&デザイン]
静岡県立美術館にはじめて訪れました。
ここは伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風」を所蔵していてGWのみ一般に公開されます。やっと念願のこの屏風の本物を目にすることができました。
今回は展示内容を充実させて「伊藤若冲アナザーワールド」という企画展が催されています。
「雪梅雄鶏図」(部分)両足院蔵
大好きな若冲の絵を見るためなら、忙しかろうが遠くであろうが出かけていきます。
10月に東京国立博物館の「皇室の名宝1期 永徳、若冲から大観、松園まで」で『動植綵絵』全30幅を見、12月に滋賀県信楽町のMIHO MUSEUMの「若冲ワンダーランド」で『象と鯨図屏風』を見たのに続き、この半年間で三回目。
伊藤若冲(1716-1800)の華麗な着色図の代表作、晩年にいたるまで描き続けた多くの水墨画が約150点も一挙に展示されています。
1.若冲前史
若冲に大きな影響を与えたと思われる黄檗宗の美術と沈南蘋(しんなんぴん)の画風。前史と言える画家および共通点のある同時代の画家をとりあげている。特に、鶴亭との類似性は興味深い。
2.初期作品~模索の時代
画業初期の水墨作品を中心に展示。
水墨画は単純化、即興性の面白みがあり、若冲の独特の造形感覚、(正面を向きビックリしたような丸い目をした鶏、親鳥の背中にのった雛鳥など)滑稽味が感じられる。
自由で伸びやかな筆遣い。鳥の羽、魚の鱗、花びらを描くのに使われる筋目描き。たっぷりした墨。濃淡の墨の使い分け。
3.着色図と水墨画
着色と水墨の融合による新しい若冲様式の完成。
印象に残った作品。
「鯉図」(墨画)「仙人掌(さぼてん)群鶏図」(重要文化財、着色、大阪・西福寺蔵)「菜蟲譜」(重要文化財、着色、佐野市立吉澤記念美術館蔵)「果蔬涅槃図」(墨画)、タイル・モザイクのような枡目描き作品の二点「樹花鳥獣図屏風」「白象群獣図」など。
4.晩年~多様なる展開
鮮やかな色彩で描いた動植綵絵の制作後、軽妙でしなやかな筆線、モチーフをデフォルメした水墨画が圧倒的に増えた。言うならば‘肩の力が抜けた’域に達して、のびのびと躍動感のある絵を描いた。
若冲は自宅で鶏をたくさん飼い、徹底的に写生をしていたこともあり、鶏を描いた絵を多く残しているほか、京都錦街の青物問屋「桝屋」の四代目として生まれたからか野菜を題材にした絵も多い。
これまで様々な展覧会で若冲の絵を見てきましたが、はじめて見るものも多く、行ってよかったと心から思いました。
【おまけ】
静岡県立美術館には‘風景とロダンの’という枕詞がついています。
美術館を取り囲むように遊歩道があり眺望を楽しみながら散策できます。
ツツジの花が見ごろです。
ロダン館の楕円状の大きなガラス屋根の下にはロダンの彫刻作品32点が常設展示されています。
史上六番目に鋳造された「地獄の門」180体の人物像が彫られているそうです。
ブリッジ・ギャラリーでゴーギャンの彫刻作品「OVIRI」と再会。
この春リニューアルオープンした記念の展覧会「収蔵品展Newコレしずおか 新収蔵品と静岡ゆかりの美術」が県民ギャラリーで開催されています。
最近気になっている現代美術アーティスト、石田徹也、小谷元彦、加藤泉の作品も展示されていて、駆け足の鑑賞でしたが満足できました。
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ここは伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風」を所蔵していてGWのみ一般に公開されます。やっと念願のこの屏風の本物を目にすることができました。
今回は展示内容を充実させて「伊藤若冲アナザーワールド」という企画展が催されています。
「雪梅雄鶏図」(部分)両足院蔵
大好きな若冲の絵を見るためなら、忙しかろうが遠くであろうが出かけていきます。
10月に東京国立博物館の「皇室の名宝1期 永徳、若冲から大観、松園まで」で『動植綵絵』全30幅を見、12月に滋賀県信楽町のMIHO MUSEUMの「若冲ワンダーランド」で『象と鯨図屏風』を見たのに続き、この半年間で三回目。
伊藤若冲(1716-1800)の華麗な着色図の代表作、晩年にいたるまで描き続けた多くの水墨画が約150点も一挙に展示されています。
1.若冲前史
若冲に大きな影響を与えたと思われる黄檗宗の美術と沈南蘋(しんなんぴん)の画風。前史と言える画家および共通点のある同時代の画家をとりあげている。特に、鶴亭との類似性は興味深い。
2.初期作品~模索の時代
画業初期の水墨作品を中心に展示。
水墨画は単純化、即興性の面白みがあり、若冲の独特の造形感覚、(正面を向きビックリしたような丸い目をした鶏、親鳥の背中にのった雛鳥など)滑稽味が感じられる。
自由で伸びやかな筆遣い。鳥の羽、魚の鱗、花びらを描くのに使われる筋目描き。たっぷりした墨。濃淡の墨の使い分け。
3.着色図と水墨画
着色と水墨の融合による新しい若冲様式の完成。
印象に残った作品。
「鯉図」(墨画)「仙人掌(さぼてん)群鶏図」(重要文化財、着色、大阪・西福寺蔵)「菜蟲譜」(重要文化財、着色、佐野市立吉澤記念美術館蔵)「果蔬涅槃図」(墨画)、タイル・モザイクのような枡目描き作品の二点「樹花鳥獣図屏風」「白象群獣図」など。
4.晩年~多様なる展開
鮮やかな色彩で描いた動植綵絵の制作後、軽妙でしなやかな筆線、モチーフをデフォルメした水墨画が圧倒的に増えた。言うならば‘肩の力が抜けた’域に達して、のびのびと躍動感のある絵を描いた。
若冲は自宅で鶏をたくさん飼い、徹底的に写生をしていたこともあり、鶏を描いた絵を多く残しているほか、京都錦街の青物問屋「桝屋」の四代目として生まれたからか野菜を題材にした絵も多い。
これまで様々な展覧会で若冲の絵を見てきましたが、はじめて見るものも多く、行ってよかったと心から思いました。
【おまけ】
静岡県立美術館には‘風景とロダンの’という枕詞がついています。
美術館を取り囲むように遊歩道があり眺望を楽しみながら散策できます。
ツツジの花が見ごろです。
ロダン館の楕円状の大きなガラス屋根の下にはロダンの彫刻作品32点が常設展示されています。
史上六番目に鋳造された「地獄の門」180体の人物像が彫られているそうです。
ブリッジ・ギャラリーでゴーギャンの彫刻作品「OVIRI」と再会。
この春リニューアルオープンした記念の展覧会「収蔵品展Newコレしずおか 新収蔵品と静岡ゆかりの美術」が県民ギャラリーで開催されています。
最近気になっている現代美術アーティスト、石田徹也、小谷元彦、加藤泉の作品も展示されていて、駆け足の鑑賞でしたが満足できました。
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