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ルドゥーテ「美花選」展 [アート&デザイン]

渋谷のBunkamuraザ・ミュージムで開催中の「花の画家ルドゥーテ『美花選』展」を観てきました。

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『美花選』より《バラ、アネモネ、テッセン》銅版画、コノサーズ・コレクション東京

植物学にのっとった正確さ、創造性あふれる美術的な要素。その二つを見事に作品として融合したのが画家ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(Pierre-Joseph Redoute、1759-1840)
彼は、ベルギー南部サンチュベールという町の画家の家に生まれ、13歳からの修業の後パリへ。ルイ16世王妃マリー・アントワネットの蒐集室付素描画家の称号を得、フランス革命後、皇帝ナポレオンの妃ジョゼフィーヌなどの庇護のもと、宮廷画家として王侯貴族や上流階級の人々に「花のラファエロ」または「バラの画家」と称えられ、植物画家として多大な名声を得た。

会場内には、パフューマリー・ケミスト蓬田勝之氏によるバラの香り(ティー、ダマスク・モダンの香り)の特別演出もあり、視覚だけでなく嗅覚でもバラの優雅な世界を堪能できます。

会場構成は次のとおり。

『美花選』に至る道
様々な植物学者たちに依頼され、その植物図譜に図版を提供してきたルドゥーテ。
彼の初期の作品から、自ら企画・出版した豪華植物図譜『ユリ科植物図譜』までを紹介。
ルドゥーテが用いた点刻彫版法(スティップル法)の解説コーナーもあります。

『美花選』-最も美しい花々
ルドゥーテが67歳の時に取り組んだ、彼の集大成とも呼べる晩年の版画集『美花選』
「最も美しい花々」と言っても、ルドゥーテの好み、時代の好みを色濃く反映したもの。1827年から36回の配本、6年かけて完成した。
野に咲く花々、バラ、みずみずしい果物、新発見の植物。全144点を8つのコーナーに分けて展示。「早春の可憐な花々」「ヨーロッパの花々-アルプスから地中海まで」「庭の新しい仲間たち-遠方からの導入種」「初夏の庭-バラの花園」「東洋への憧れ」「美しき実り-果物の肖像」「エキゾチックな植物」「ブーケの魅力」

『バラ図譜』
ビーズ刺繍デザイナー田川啓二氏によるバラのオートクチュール・ドレスの特別展示もあります。

特別出品『バンクス花譜集』
ブラジル、ソシエテ諸島、ニュージーランド、オーストラリア、ジャワで発見された植物

ベラムに描かれた水彩画
ベラム(Vellum)とは、脂肪や毛を除去したものを強く張り紙のような状態にする子牛などの動物の皮。水彩絵具を使用する場合、紙と比べて絵具のしみこみが少ないため色の発色がよい。
デザイナー吉谷博光氏が、マルメゾン宮殿の室内装飾にインスピレーションを受けてルドゥーテ作品のためのサロンをデザインした優雅な空間演出の中に展示されています。

純粋に「花が好き」という彼の、花に対する愛情が絵に充ちあふれています。

会場出口付近にあるのが美輪明宏氏の著書『花言葉』より、花と美にまつわる言葉を選んで紹介されているコーナー。
印象に残った言葉を二つだけ、最後に書き留めます。

「美意識というのは、生活必需品で、ぜいたくなものでも、生きるために余剰なものでもありません。美意識こそが、世界を活性化させる、非常に必要不可欠な原材料であり、原動力なのです。」
「美と文化は、心のビタミンです。」

ほんと、全く同感です。美と文化なしでは生きられません、わたし。

【おまけ】
もし、新しい習い事をするなら、Botanical Artを学んでみたいな。(植物が好きで、アートが好きだからモッテコイ)
ロンドン郊外の私のお気に入りの場所、Kew Gardensの中にボタニカル・アートばかりを集めた小さなギャラリーがあります。懐かしいなぁ。

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