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美とは何か [学び]

今日は会社をベルサッサ(死語?) 終業時のチャイムが鳴ると同時に退社したってことね。
丸の内で開催の社外講演会を受講するため。
慶應丸の内シティキャンパス主催の「夕学五十講」の2011年後期「時代の“潮流と深層”を読み解く」、テーマ「感性と身体知を磨く」の第8回。
講師は画家であり京都造形芸術大学学長の千住博さん。タイトルは「美とは何か」

詳しいレポートは会社に提出しなければならないけれど、ブログには簡単に印象に残った内容を書きとめておこうと思います。

●まずは「和」とは何か。
「和風」という言葉で表現されるもの。和風パスタというと、スパゲティの上に納豆やタラコ、きのこなどがのっている。
宗教でも、日本人は神社に初詣に出かけ、教会でウエディングを挙げ、お盆でご先祖を迎え、クリスマスを楽しみ、お葬式には仏教のお経を唱える。
全く異なるもの(異質のもの)がある枠組み(約束事)の中で調和(ハーモニー)を奏でるのが日本の特徴。すなわち「和」

芸術もこの力学によって成立している。
音楽は異なる楽器が指揮者のもとに一つのハーモニーを作り出し、建築は鉄・木・石といった異質な素材を組み合わせて一つの構造物を完成させる。

つまり、日本は「和」の国であり「藝術」の国。

●では、「藝術」とは何か。 ※千住さんは「藝」であって「芸」ではないと区別されます。
“こいつとはわかりあえない”という不特定多数の人々に向けたコミュニケーション。どうにかして分かり合おうとするプロセス。
「私はこんな作品を作りました。いかがでしょうか?」と問いかける行為とのこと。
平たく言うと、「仲良くやる知恵」「平和を作り出す行為(Peace making process)」だそうです。

imaginationをcommunicationするのが人間。
芸術的な発想=人間的発想。

●最後に、「美」とは何か。
生きていて良かったと思える感動。豊かさを感じるもの。五感を通して感じる生きている喜び。
美味しいものを食べたときに幸せに感じるのも美の一つ。

美的行為(芸術的な行為)は人間の歴史以前に始まり、原人・旧人は洞窟に絵を描き、お墓に遺体とともに花を一緒に埋葬し、石や貝殻で作ったビーズの首飾りを身に着けた。


質疑応答からもキーとなる概念が語られた。
千住さんは講演の冒頭に「コミュニケーション(対話)の中から何かが生まれると思っているので、どんな質問でも意見でもたくさん言ってほしい」とおっしゃいました。

●デジタルとアナログのバランス感覚を大切にしたい。どちらかに偏るのではなく共生・共存していこう。
20世紀は高度成長、モダニズムの時代で計算できること(数値化できるもの)に価値をおいた。
21世紀の現在とこれからは、数値で測れないもの(夢、愛など)や人間の力で制御できないもの(自然の力)についてもう一度思い起こすことで次の展開が開ける。
自然の中で生きていることの素晴らしさ、怖さを再認識する時期。

●「感性(個性)を磨く」にはどうしたらいいか。
好き嫌いをはっきりさせる。
混沌の中から秩序(序列)をつけて省いていく(削ぎ落としていく)と個性が出てくる。

●藝術の役割
モノとモノ、人と人をつないでいく。
目に見えないものを見えるようにする。


大好きな千住博さん。
甘いマスクと穏やかな声にうっとりと聞いていると、一瞬眠りに落ちてしまった。

【おまけ】
講演終了後、会場ロビーで販売されていた書籍のうち二冊を買いました。
20111109 美とは何か.JPG

イッセイさんのPLEATSといい、私、ほれた男性には貢いでしまう性分です。。

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タグ:芸術 講演会
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コメント 2

Mei

いっこさんの会社に提出した詳しいレポートを是非読んでみたいわぁ。
by Mei (2011-11-12 04:22) 

いっこ

★Meiちゃん、提出用のレポート用紙はあまり書くスペースがなく、結局、こっちのレポートのほうが詳しくなりました(笑)
by いっこ (2011-11-12 09:18) 

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