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フェルメールからのラブレター展 [アート&デザイン]

2か月ぶりのアート鑑賞レポートです。

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「フェルメールからのラブレター展」を観てきました。

20120225 フェルメールからのラブレター展1.JPG
「手紙を書く女」1665年頃、ワシントン・ナショナル・ギャラリー

印象派の画家と並び、日本人が好きな画家の筆頭と言ってもいいほど人気のあるヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)
17世紀オランダ絵画を代表する巨匠。三十数点しか作品が現存しておらず、そのうち、手紙をテーマにした3作品が一堂に会しています。
その他、同時代の画家たちの作品も合わせて展示されています。

20120225 フェルメールからのラブレター展2.JPG
上の左が「手紙を書く女と召使」1670年頃、アイルランド・ナショナル・ギャラリー
右が「手紙を読む青衣の女」1663-64年頃、アムステルダム国立美術館

会場構成は次のとおり。

人々のやりとり -しぐさ、視線、表情
仕事や余暇を楽しむ民衆の姿を描く風俗画。日常生活の描写のように見えるが、オランダの諺や格言、道徳的なメッセージを示唆しているとか。

家族の絆、家族の空間
17世紀のオランダの風俗画では既婚女性がよく描かれている。彼女たちは買い物や料理、掃除、選択、アイロンがけ、乳児や幼い子供たちの養育や監督、病人の世話などさまざまな仕事を行った。召使いが描かれた作品もあるが、実際に召使いがいた家庭は全体の1~2割にすぎなかったという。

手紙を通したコミュニケーション
17世紀のオランダは他国に比べて識字率が高かったそうで、郵便制度も成立し、手紙のやりとりが急速に増え、手紙はコミュニケーション手段として重要な役割を果たしていた。当時すでに、手紙の例文(男性からのラブレターに対し断る女性からの手紙など)を載せた本があったほど。

職業上の、あるいは学術的コミュニケーション
学者たちは個人的な非公式な接触によりコミュニケーションをとった。また、17世紀には学術雑誌が誕生し、学会が設立され、学会誌や科学書、新聞などの印刷物を介したコミュニケーションも盛んだった。

絵画に描かれている事物は多くの場合、意味(寓意)が込められています。
例えば、部屋の中に吊るされた鳥かご。鳥が籠で守られていることから無垢・貞節を、空の場合は不安定を示すものとされた。
チェロなどの楽器は、演奏する際に音を合わせなければできないので調和・心の通い合いを象徴。
室内の壁にかけられた地図は愛する人の不在を表す。海は愛、船は恋人を表象していた。
こんな知識を頭におきながら絵を見ると、さらに深く楽しめます。

現在、改修工事で閉館中の東京都美術館のリニューアル後の展覧会(6月~)で「真珠の耳飾りの少女」がやってくるそうです。これも楽しみ。

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コメント 4

cecileyvr

ちょうど記事をアップしたら、まさに一致!いっこさんブログのほうがためになります。フムフム。
by cecileyvr (2012-02-29 13:23) 

いっこ

★Cecileさん、短い東京滞在期間にホントいろいろ巡ったのですねぇ。ご立派!
ブログのデザインテンプレート、今回はCecileさんと一緒になりました。
by いっこ (2012-03-01 00:42) 

ラパン

ホント、いっこさんの美術解説って分かりやすくて面白くて、読んで勉強になります!
目の前で人物が今にも動き出しそうにリアル、そして時間の流れが優雅に感じますよね。
by ラパン (2012-03-01 07:35) 

いっこ

★ラパンさん、いえいえ、展覧会パンフレットの解説を参照しながら要約しているだけで(照)
オランダ絵画、フランドル絵画は、光と影(明暗)のコントラストが独特の雰囲気を画面にもたらし、その暗い中にラピズラズリの青や黄色といった色が印象的に目に飛び込んできます。
by いっこ (2012-03-02 00:14) 

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