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ゴーギャン展 [アート&デザイン]

あっつ~い日にはいっそのこと南国の気分に浸るにかぎる!
というわけで、竹橋・北の丸公園東京国立近代美術館で開催中の『ゴーギャン展』を観てきました。

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「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」(1897-98、ボストン美術館所蔵)

パリ生まれのPaul Gauguin(ポール・ゴーギャン、1848-1903)
幼少の頃、ナポレオンのクーデターによる迫害を危惧し母の縁故をたよってペルーへ。数年後、フランスに戻る。
パリの株式取引所で仲買人として成功を収め、デンマーク人の女性と結婚したが、カミーユ・ピサロなどの印象派画家たちとの交流から絵画への関心が深まり34歳で芸術家として生きる決意をし放浪生活が始まる。
自分の内なる「野性」に目覚めたゴーギャンは「楽園」を求めて、フランス北西部のブルターニュ、カリブ海のマルチニーク島、ゴッホと共同生活を送った南仏アルル、二度のタヒチ行き、最期の場所はタヒチから離れること千数百㎞のマルキーズ諸島。ここで漂白の人生を終えたのでした。

20090711 ゴーギャン展3.jpg

展覧会は三部構成。

第1章:野性の解放
初期の頃は印象派の影響で明るい光を感じさせる色彩、スーラのような点描への取り組みも見られます。
次第に単純化された形態と色彩で描き出す独自のスタイルを確立。

第2章:タヒチへ
「熱帯のアトリエ」に暮らす夢をあたためていたゴーギャン。南太平洋の島、タヒチへ最初に訪れたのは1891年のこと。
原初の人類に備わる生命力や地上に生きるものの苦悩をタヒチ人女性の黄金色に輝く肉体を借りて描き出した。
石像のようにどっしりした体躯の女性の顔には人の心の内をみすかそうとするかのような妖しい表情こそあれ、心からの笑顔はいっさいない。
蛇に誘惑されて禁断の木の実(りんご)を食べてしまうエヴァ(Eve)をモチーフにした絵を何点も描いている。
彼の絵は、タヒチの風土を思わせる赤褐色、と同時に緑や青をおびた色彩が画面を支配しゴーギャンの孤独感、不安を象徴しているかのようです。

第3章:漂泊のさだめ
いったん1893年にパリに戻ってタヒチで描いた作品を発表したが、全く受け入れられず。落胆したゴーギャンは1895年再びタヒチへ。
しかし、健康状態の悪化と貧困により制作がままならず、孤独は深まるばかり。
彼が精神的な遺言として制作したのが「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」という作品(上のチラシの絵、部分)
この大作で彼は、人類の起源・誕生(過去)~喜び・悲しみの始まり(現在)~死の運命を受け入れる(未来)を表現したのです。さらには、同じ画面の中に、再生の力をもつと言われる月の女神・ヒナを入れることで輪廻転生を描いたのかもしれません。

【おまけ】
ミュージアムショップで涼しげなグッズを発見。お買い上げ!

20090711 plastic fan.jpg

マウスパッドにもなるプラスチック製のfan。フランス製です。さすが、おしゃれだと思った。

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