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人生に乾杯! [シアター&シネマ]

東京は、美術館・ギャラリーだけでなく、映画館やコンサートホールも大小充実しています。
全国ロードショー系の有名作品のほか、探すとミニシアターでは隠れた名作、海外の珍しい作品、懐かしい映画を上映していて、大々的な宣伝におどらされず、自分のアンテナにピン!ときたモノにめぐりあえたときの悦びはひとしお。

先日観た『人生に乾杯!』(原題、KONYEC)もそんな良品です。
(2007年、ハンガリー、107分)第38回ハンガリー映画週間 観客賞・部門賞受賞
観た映画館はシネスイッチ銀座(銀座4丁目、和光ウラ通り)

20090807 人生に乾杯.jpg

舞台はハンガリー。
80歳と71歳の老夫婦は貧しい年金生活。家賃も滞納したまま返済のあてもなく。二人の出会いのきっかけになった妻のダイヤのイヤリングまでも借金のカタに取られてしまう。
そこで、つつましく生活している高齢者に冷たい世の中に怒りをおぼえた夫は反逆に出る。大切に手入れをしてきた愛車のチャイカ(50年代の車)を20年ぶりに運転し、郵便局に強盗に入る。それもいたって紳士的なやり方で。
はじめは警察に協力的だった妻も夫の頑張る姿に昔の愛しい気持ちを思い出し、夫とともに逃げることに。
幸せになるために勇気をもって立ち上がった老夫婦の行動はヨーロッパの人々に共感を生み、二人の逃避行の結末は思いがけない展開に。。

レトロな雰囲気、思わず口元がゆるむユーモア。心がじーんと温まる、そしてちょっぴり切ない映画です。

「一度、海が見たかった」
奥さんが逃避行の終わりにつぶやく言葉。
島国の日本と違って、ヨーロッパはたくさんの国が陸続きでつながっている。西ヨーロッパはともかく、東ヨーロッパ、旧ソ連は国が最近まで分裂独立があったりして地理的な位置関係がいまいち曖昧。ハンガリーって海に面していない国なのですね。知らないこと、まだまだたくさん。

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美しきアジアの玉手箱 [アート&デザイン]

サントリー美術館で開催中のシアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展『美しきアジアの玉手箱』(LUMINOUS JEWELS, Masterpieces of Asian Art from The Seattle Art Museum)を観てきました。

20090805 美しきアジアの玉手箱1.JPG
(17世紀前半、江戸時代の作品『烏図』)
金地に黒のカラスの群れのコントラストが斬新でモダン。

1933年に設立されたシアトル美術館。
離れたところにある東洋の美術品を日本への‘里帰り’の機会に見られるありがたさ。

構成は、美術館の創立者リチャード・フラー氏の個人コレクションにより始まった「日本美術」「中国美術」「韓国美術 その他のアジア美術」
約100件が公開されています。

20090805 美しきアジアの玉手箱2.JPG

桃山時代の巨匠・本阿弥光悦の書と琳派の俵屋宗達の画による『鹿下絵和歌巻』(右上はその一部)
のびやかに描かれた鹿の絵の間にしたためられた和歌の文字の筆致も軽快です。

私が気に入ったのは葛飾北斎の『五美人図』(右下の葉書)
異なる装いの女性が縦に流れるような構図で描かれているのが面白い。

【おまけ】
春の企画展『まぼろしの薩摩切子』の展示作品、「紫ちろり」の葉書を8月のトイレアートコーナー(ミニ掛軸)に。

20090805 薩摩切子紫ちろり.JPG

これに日本酒を冷やして飲んだら格別でしょうねぇ。

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