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森村泰昌★なにものかへのレクイエム [アート&デザイン]

恵比寿ガーデンプレイス東京都写真美術館で開催中の森村泰昌★なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術」を観てきました。

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なにものかへのレクイエム(記憶のパレード/1945年アメリカ)2010年

80年代から、自らが名画の登場人物や著名人に扮するセルフポートレイト写真・映像を発表してきた美術家の森村泰昌(1951年生まれ)

この展覧会は、「20世紀の男たち」をテーマにした新作シリーズ「なにものかへのレクイエム」の完全版です。

第一章 烈火の季節(2006年)
60年、70年代に起こった出来事を題材に、安田講堂で演説をする三島由紀夫、浅沼事件などを取り上げます。

第二章 荒ぶる神々の黄昏(2007年)
「ロシア革命」「ファシズム」「アメリカ」の3つを20世紀を構成する思想的要素と解釈し、レーニン、ヒトラー、毛沢東、アインシュタイン、チャップリンなどに扮します。

第三章 創造の劇場(2010年)
20世紀を代表する男性芸術家10人(ピカソ、デュシャン、ダリ、ポロック、ウォーホル、手塚治虫、レオナール・フジタなど)をコスプレ。

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第四章 1945・戦場の頂上の旗(2010年)
歴史の分岐点1945年(終戦)の報道写真を再現。
昭和天皇とマッカーサーの会見、タイムズ・スクエアの終戦記念パレード、硫黄島の星条旗など。展示の最後はインドのガンジー(非暴力、不服従の主張者)。

男たちが建設し、戦い、破壊してきた20世紀の歴史と意味を検証するシリーズ。
レクイエム(鎮魂歌)。過ぎ去った時代、その時代の男たちをセルフポートレイトで演じ表現することで失われていく記憶を21世紀に伝えていこうとしています。
男性・女性、日本人・外国人、誰に扮してもそれらしく見えてしまう森村泰昌のコスプレ術の素晴らしさ。

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伊藤若冲アナザーワールド [アート&デザイン]

静岡県立美術館にはじめて訪れました。
ここは伊藤若冲の「樹花鳥獣図屏風」を所蔵していてGWのみ一般に公開されます。やっと念願のこの屏風の本物を目にすることができました。

今回は展示内容を充実させて「伊藤若冲アナザーワールド」という企画展が催されています。

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「雪梅雄鶏図」(部分)両足院蔵

大好きな若冲の絵を見るためなら、忙しかろうが遠くであろうが出かけていきます。
10月に東京国立博物館の「皇室の名宝1期 永徳、若冲から大観、松園まで」で『動植綵絵』全30幅を見、12月に滋賀県信楽町のMIHO MUSEUMの「若冲ワンダーランド」で『象と鯨図屏風』を見たのに続き、この半年間で三回目。

伊藤若冲(1716-1800)の華麗な着色図の代表作、晩年にいたるまで描き続けた多くの水墨画が約150点も一挙に展示されています。

1.若冲前史
若冲に大きな影響を与えたと思われる黄檗宗の美術と沈南蘋(しんなんぴん)の画風。前史と言える画家および共通点のある同時代の画家をとりあげている。特に、鶴亭との類似性は興味深い。

2.初期作品~模索の時代
画業初期の水墨作品を中心に展示。
水墨画は単純化、即興性の面白みがあり、若冲の独特の造形感覚、(正面を向きビックリしたような丸い目をした鶏、親鳥の背中にのった雛鳥など)滑稽味が感じられる。
自由で伸びやかな筆遣い。鳥の羽、魚の鱗、花びらを描くのに使われる筋目描き。たっぷりした墨。濃淡の墨の使い分け。

3.着色図と水墨画
着色と水墨の融合による新しい若冲様式の完成。
印象に残った作品。
「鯉図」(墨画)「仙人掌(さぼてん)群鶏図」(重要文化財、着色、大阪・西福寺蔵)「菜蟲譜」(重要文化財、着色、佐野市立吉澤記念美術館蔵)「果蔬涅槃図」(墨画)、タイル・モザイクのような枡目描き作品の二点「樹花鳥獣図屏風」「白象群獣図」など。

4.晩年~多様なる展開
鮮やかな色彩で描いた動植綵絵の制作後、軽妙でしなやかな筆線、モチーフをデフォルメした水墨画が圧倒的に増えた。言うならば‘肩の力が抜けた’域に達して、のびのびと躍動感のある絵を描いた。

若冲は自宅で鶏をたくさん飼い、徹底的に写生をしていたこともあり、鶏を描いた絵を多く残しているほか、京都錦街の青物問屋「桝屋」の四代目として生まれたからか野菜を題材にした絵も多い。

これまで様々な展覧会で若冲の絵を見てきましたが、はじめて見るものも多く、行ってよかったと心から思いました。

【おまけ】
静岡県立美術館には‘風景とロダンの’という枕詞がついています。
美術館を取り囲むように遊歩道があり眺望を楽しみながら散策できます。
ツツジの花が見ごろです。
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ロダン館の楕円状の大きなガラス屋根の下にはロダンの彫刻作品32点が常設展示されています。
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史上六番目に鋳造された「地獄の門」180体の人物像が彫られているそうです。
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ブリッジ・ギャラリーでゴーギャンの彫刻作品「OVIRI」と再会。
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この春リニューアルオープンした記念の展覧会「収蔵品展Newコレしずおか 新収蔵品と静岡ゆかりの美術」が県民ギャラリーで開催されています。
最近気になっている現代美術アーティスト、石田徹也、小谷元彦、加藤泉の作品も展示されていて、駆け足の鑑賞でしたが満足できました。

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2010GWスタート [旅 東海]

大型連休(GW)初日、ちょいと静岡まで出かけてきました

いつもながらのスロースタートで品川から新幹線ひかり号に乗ったのは12時10分。ランチは車内販売の鯛めし弁当

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圧力釜でふっくらと炊かれた鯛の味がご飯にしみておいしい。

一時間弱で静岡駅に到着後、東海道線で二駅戻った草薙駅で下車。目指すは静岡県立美術館
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新緑の中、美術館へのアプローチには彫刻作品が点在していて歩いていても楽しい。
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20100429 伊藤若冲アナザーワールド1.JPG

2時間あまりアート鑑賞し、再び新幹線に乗り込む。
行きは見られなかった富士山が大きくはっきり見えました。
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やはり富士山は美しい~

静岡と言えばお茶。新茶の季節です。
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旅に出たら、その土地のものを味わいたいもの。今回は時間がなかったので静岡駅の売店で東海らしいおにぎり三個(田丸屋本店の葉わさびむすび、天むす、うなぎ)を買って帰りました。
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さぁ、明日はしっかり仕事をして土曜からはいよいよ国外脱出!

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つながっている [つぶやき]

最近感じること。
いろんなものが“つながっている”

私が興味のおもむくままに出かけているアート鑑賞。たどってみると何となくテーマが関連している。
最近では、山種美術館で「大観と栖鳳」を観たあとで、竹内栖鳳門下の小野竹喬(国立近代美術館)、横山大観の教えを受けた安田靫彦(ニューオータニ美術館)を鑑賞。

社会人になって今年で22年目。
入社したてのころは「広報系の仕事がしたい」と希望しながら全く違う営業の部署に配属になり、数年後に希望が叶い、海外で働きたいと願っていたらチャンスが訪れ、勤務13年目で自分の希望(予想)にはない採用・育成の仕事をまかせられ、意外とぴったりマッチ。そろそろ新しいことをと思っていたところに再び海外へ行く機会に恵まれ、帰国後はその経験を生かせる仕事を経て、この4月にまた新しい分野の業務につくことに。
この十年は会社が私の仕事の幅を広げてくれているような気がします。そして、入社以来いまにいたるまでに経験した仕事が現在の職務につながり役立っています。

そして、人のつながり。
イギリス赴任後に始めたブログにより現地で新しく友人ができた。
帰国し東京でも立ち上げたブログでさらに友だちの輪が広がった。ありがたいことです。

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近所の歩道脇の花壇。
白金の町とのつながりももっと深めたいと思います。

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ミュージアムショップで見つけたキリンのステッカー。こちらもつながっています。

【おまけ】
先日の問題(GWの旅の行き先は?)のヒント。
・今まで行ったことのない海外の場所
・旅の行き先も気がついてみると“つながって”います

正解は5月1日の出発直前に発表します!

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国宝 燕子花図屏風 [アート&デザイン]

南青山根津美術館で新創記念特別展 第5部「琳派コレクション一挙公開 国宝燕子花図屏風を鑑賞してきました。

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国宝 燕子花図屏風(部分) 尾形光琳筆 江戸時代・18世紀

昨年10月のリニューアルオープン以来、根津美術館所蔵の国宝を中心とした記念特別展が開催されていて、第一部、第二部に続き、今回も堪能しました。

以前から実物を見たかった尾形光琳(京都の高級呉服商に生まれ育った)の六曲一双の屏風。
総金箔地に濃淡の群青と緑青のみで描かれた燕子花(かきつばた)の群生。
リズミカルな配置、卓越した意匠性と優れた技法。二色しか使われていないとは思えないほどのイキイキとした画面。
『伊勢物語』第9段、東国に下る途中の在原業平が郷愁の歌を詠んだ燕子花の名所・三河国の八橋の風景を題材にしているそうです。

合わせて展観された琳派作品。
俵屋宗達、本阿弥光悦、尾形乾山、酒井抱一、鈴木其一らの典雅にして繊細な美の世界に浸りました。
四季の草花が多く描かれ、春(あざみ、たんぽぽ等)、夏(都忘れ、立葵など)、秋(菊、萩、ススキ等)、冬(南天、水仙など)の植物の勉強にもなります。

東京国立博物館のような大展示室とは異なり、ほどほどの展示室に作品がゆったりと展示されている。その真ん中のベンチに腰かけ四方の展示作品をながめていると、まるで自分が江戸時代の宮中の庭や宮殿の一室もしくは野の山に迷いこんだかのような錯覚に一瞬陥ります。

併設展示のコレクション展は次のとおり。
・仏教彫刻の魅力
・古代中国の青銅器
・花模様の器
 中国では花にも吉祥の意味がこめられた。牡丹(富貴)、蓮(豊かさ)、歳寒三友(冬の寒さに耐える松・竹・梅あるいは梅・水仙・竹)、四君子(竹・梅・菊・蘭)。
 日本では桜・朝顔・群れ咲く秋草・椿など、四季の花々が好まれた。
・燕子花図屏風の茶
 昭和6年5月に根津嘉一郎氏が「燕子花図屏風」を披露した際に催した茶会を再現。

日本庭園内の弘仁亭(茶室)でお茶会が催されていて和服姿のご婦人方、袴の男性が大勢いらっしゃいました。
残念ながら池の杜若のつぼみはまだ固く、開花はもう少し先のようでした。
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日本庭園は新緑がまぶしく、みずみずしい。
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【おまけ】
庭園内にあるNEZU CAFEでケーキセットをいただきました。
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ケーキ皿にカキツバタの浮き彫り。すっきりしたデザインのティーカップとポットはNIKKO(石川県のメーカー)のもの。

同時期に移転新装開館した山種美術館とともに美術とカフェでのひと時を楽しめる場所です。

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旅人生活スタート [日記]

月日の経つのの早いこと。(年々早まっているような気がします)もう4月も終わり。

咲いている花も初夏のものに移っています。
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さて、5月のスケジュールが決まりました。
カレンダーで確認してみると東京にいるのは月の3分の一、10日ほど。
旅(旅行・出張)に出て、東京に戻ったかと思うとしばらくしてまた旅に出ての繰り返しになりそう。(海外2回、国内2回)

では、問題です。
5月の旅、第一弾。GWの連休(5/1-8)はどこに行くでしょう?
ここかな?と思われた方はコメントに答えをお書きください。
ヒント、今まで行ったことのない海外の場所です。(ずいぶん広いヒントですが)

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ブログの更新ができるか心配ですが、きっと面白いレポートになりそうです。
5月は体力勝負になりそうなので、まずは栄養と睡眠をしっかりとって元気に頑張ります!

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タグ:旅行

ラ・ブランジュ [レストラン&フード]

土曜の夜は“かしまし娘”結成会
4月の初めにCecileさん主催のEaster Partyで初顔合わせだった人たちの中で、同い年の女性二人と意気投合。三人なので名づけて“かしまし娘”(そもそも、こういうノリが通じるところが同年齢の証拠)
結成記念の食事会は渋谷(青山学院大学西門向かいのビルの2階)にあるフレンチ・レストラン、ラ・ブランジュ

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私たちは7000円のコースをいただきました。
アミューズはカリフラワーのムース、トマトジュレのせ。
前菜はヤリイカの中にズッキーニを詰めたもの。トマトのソース、ほうれん草や蕪などの野菜添え。

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本日の魚料理。こちらにも蕪が添えられています。
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もう一品のメインにはサーモンの瞬間燻製、温泉卵添え。サーモンの香りが高く美味しい。
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グリーンアスパラやトマトなど、どのお皿も野菜がたっぷり。

白のグラスワインで乾杯のあと、赤のボトルも開け、かしまし娘たちの会話はますます弾みます。

デザートにはバナナのパルフェを選び、最後にはショコラなどの小菓子とコーヒーで締め。

シェフが一つひとつのテーブルに挨拶にいらっしゃったり、ソムリエの方が気さくに話しかけてきたり、本格的なレストランでありながら和やかな雰囲気も合わせもつお店です。
S子さん、素敵なレストランを紹介してくれて、ありがとう!
E子さん、遠いところから来てくれて、ありがとう!そのうち江ノ島か鎌倉を案内してね。

【おまけ】
表参道はよく行くスポットですが、青山学院大学のキャンパスはこれまで行ったことがありませんでした。
こちら正門のキリストさん。
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残念ながら関係者以外は門の中へは立ち入り禁止です。

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