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浮世絵の死角 [アート&デザイン]

「浮世絵の死角」という展覧会を見るために初めての美術館に行ってきました。

20100327 浮世絵の死角1.JPG

都営三田線の終点、西高島平駅から徒歩十数分のところにある板橋区立美術館
開館30周年記念特別展のイタリア・ボローニャ秘蔵浮世絵名品展でした。

ボローニャのコレクター、ジュリアーノ・ベルナーティ氏とカルロ・コンティーニ氏所蔵の浮世絵コレクションの中から、日本人には死角に入って見えなかった作品を選んで展示。普通の美人画、風景画とはひと味違う興味深い作品が紹介されていました。

20100327 浮世絵の死角2.JPG

第1章 錦絵誕生
奥村政信(アイデア豊富な浮世絵師、ユーモラスな主題が得意)
鳥居清信(役者絵、美人画が得意、鳥居派の最初)
鈴木春信(錦絵創始期の第一人者、可憐で華奢な美人画風で一世を風靡)

第2章 錦絵の展開
勝川派と役者似顔: 勝川春章、春好、春英
錦絵の展開と摺物: 大判、中判、柱絵判、間判。鳥居清長、歌川豊春ら。
 絵に登場するのは役者、女郎、芸者など。場所は深川、隅田川の茶屋、遊郭など。

第3章 幕末の歌川派
国貞とその周辺: 豊国、国丸、広重ら。役者絵は当時の人気スターのブロマイド。
国芳とその周辺: ユーモアにあふれ、コミカルな絵
戯絵(ざれえ): 国芳、広重らの滑稽図
おもちゃ絵: 絵を切ってカードにしたり、着せ替えに使ったり。すもうとり尽くし、衣裳尽くし、櫛簪尽くし等、図鑑代わり・見本帳代わりとしても使われた。

第4章 上方絵
職業絵師ではなく、歌舞伎ファンの中で絵心のある人たちが役者絵を手がけた。

第5章 幕末明治の版画
豊原国周(役者絵)、月岡芳年(残酷絵)、小林清親(西洋画の陰影を表現した光線画)、柴田是真(漆絵)ら。

第6章 近代の版画
川瀬巴水、吉田博ら。

【おまけ】
この美術館、キャッチフレーズは
 だれでもちょっと のぞいてみたくなる
 だれでもちょっと つくってみたくなる
 そんなたのしい 板橋区立美術館

企画展のテーマ設定も面白いですが、チラシのデザイン、コピーにも工夫が見られます。
20100327 浮世絵の死角3.JPG

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しあわせの隠れ場所 [シアター&シネマ]

米アカデミー賞の授賞式間もなくの3月下旬、丸の内ピカデリーで映画「しあわせの隠れ場所」を見てきました。
(監督:ジョン・リー・ハンコック、2009年、アメリカ映画)

20100324 しあわせの隠れ場所.JPG

主演のサンドラ・ブロックが最優秀主演女優賞を受賞した作品。

先日のラグビーを題材にした映画「インビクタス」に続き、これはアメリカンフットボールの選手が主人公の感動の実話。涙うるうるものです。

親に見捨てられ、家も寝る場所もない孤独な黒人少年、マイケル・オアー(クイントン・アーロン)。
体が大きいことからスポーツ選手として高校入学を認められたが、ひとりぼっち。
真冬の夜道を歩いていたところ、裕福な白人家族が車で通りかかり、母である女性リー・アン(サンドラ)が彼に声をかけた。「今晩うちに泊まりなさい」
しかし、それは一晩で終わらなかった。
リー・アンと家族は彼を家族の一員として迎え、マイケルはアメフト選手として隠れた才能を発揮するだけでなく、まったくダメだった学校の成績も家庭教師の教えでみるみる向上。
彼は将来を嘱望されるスター選手となり、いくつもの大学からスカウトを受ける。そして、アメフト全米代表選手に。

原題はTHE BLIND SIDE
辞書で調べると、「弱点・盲点、死角、アメフト用語で選手の死角」と出ている。
黒人少年マイケルは白人女性リー・アンとの出会いによって自分の隠れた才能を引き出してもらい人生が変わった。
リー・アンの友人たち(黒人や弱者に対してやや差別的)が「慈善活動でもするつもり?彼の人生を変えようとしているの?」と言うと、「いいえ、彼が私の人生を変えたのよ」と答えた彼女の清々しい表情が印象的。
そして、この映画がサンドラの女優としての別の引き出しを開けてくれたのではないかと思います。

リー・アンの息子SJがいい味を出したなかなかの演技をしています。

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