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クリストとジャンヌ=クロード展 [アート&デザイン]

東京ミッドタウン21_21 DESIGN SIGHTで開催されていた特別展「クリストとジャンヌ=クロード展」を観てきました。

20100328 クリスト&ジャンヌ=クロード展1.JPG

クリスト(ブルガリアのガバロフ生まれ)とジャンヌ・クロード(フランス人両親のもとモロッコのカサブランカ生まれ)は誕生日が1935年6月13日でまったく同じ。
今回の特別展は、2009年11月18日にジャンヌ=クロードが急逝したことにより、二人と親交のあった三宅一生が企画、クリストの了解をもらって開催する運びになった。

二人は1958年にパリで出会い、共同で創作活動を始めた。その活動は“野外空間での一時的な芸術作品”を創り出すプロジェクト。

20100328 クリスト&ジャンヌ=クロード展2.JPG

パリ最古の橋、ポン・ヌフを輝くベージュの布で包んだり(一番左、1975-85)
マイアミ郊外の島々の周囲をショッキングピンクの布で囲んだり(左から二番目、1980-83)
カリフォルニアの丘陵地帯と日本の田園風景に黄色と青の大きな傘の花を咲かせたり(右から二番目、1984-91)

二人はプロジェクト実現のためにいっさいの資金援助を受けず、準備段階で制作した模型やドローイング作品などを売って自己資金のみでプロジェクトを完成させました。

展示で印象に残ったのは各プロジェクトの発想から実現にいたるまでの年月を横棒グラフで表した年表。
進行中のものも含む26の横棒。30年近くたってもまだ準備中のプロジェクトもあります。
短くて二週間の展示実現のために何年、何十年もの歳月をかけて準備する。その意思の強さはどこから来るのでしょうか。

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六本木アートナイト2010 [アート&デザイン]

「眠らない街の、夢の一夜。」
3月27日(土)から翌28日(日)、夜通しのアートイベント「六本木アートナイト2010」が行われました。
コアタイムは日没(17:58)から日の出(5:34)まで。六本木全体がイベント会場。
昨年に続き2回目の開催となったアートの祭典です。

こちら東京ミッドタウンのガレリアの壁面。

20100328 六本木アートナイト1猫道.JPG
猫の足跡に一人ひとりのメッセージが書かれています。

ミッドタウンガーデンの芝生広場には可愛い飛行物体たち。
20100328 六本木アートナイト2.JPG

六本木商店街ではグリーンをテーマに、若手デザイナーたちが街路灯に提げるフラッグをデザイン。応募作品の中から入選作品92枚が掲出されていました。
20100328 六本木商店街Flag3.JPG

六本木ヒルズに向かう途中、ビルの1階に都会では見慣れない白菜(本物そっくり)を山積みにしたリアカーが置かれています。

20100328 六本木アート4チェ・ジョンファ緑の白菜.JPG
作品名「緑の白菜」

しばらく行くと麻布警察署の手前、青山ブックセンターに警官が立っている。

20100328 六本木アート4 ファニー・ゲーム&ピンクシャンデリア.JPG
「ファニーゲーム」という作品。上方に見えるのは「ピンク・シャンデリア」

さらに進み、BANANA REPUBLICの前には100円ショップに売っているような安っぽいプラスチックのカラフルなカゴ。「みんなでハッピー」

20100328 六本木アート4 みんなでハッピー.JPG

これらすべて韓国のアーティスト、チェ・ジョンファの作品。彼の作品は青森県の十和田市現代美術館にも展示されていて、その色の鮮やかさから好きなアーティストの一人になりました。

六本木ヒルズのアリーナには椿昇の「ビフォア・フラワー」
20100328 六本木アート5椿昇BeforeFlower3.JPG

パンフレットでの紹介から。
裸子植物は太古の地球において大量の酸素を供給し、多様性に満ちた生物世界への原動力だった」
来場者の発する二酸化炭素(チューブの先から吹き込む呼気)に反応して上方の球体に設置のスクリーンにさまざまな映像を映し出す巨大なモンスター。

毛利庭園にもアート作品が展示されていました。
20100328 六本木アート6ヒルズ毛利庭園桜2.JPG

池に浮かんでモーターで花弁が開いたり閉じたりする巨大なゴールドの蓮。これもチェ・ジョンファの作品「ロータス」

右側に赤く見えるのは誰でも腰掛けられる長~いベンチ。BoConceptの「レッドベンチソファ」

土曜の夜は美術館、ギャラリーも夜遅くまで開館時間を延長していました。
私は夜遊びはせず(夜更かしができなくなっただけ)、日曜の午後に行ったのですけどね。

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サントリーホール オープンハウス [学び]

3月28日は、アークヒルズの「桜まつり」に合わせて、サントリーホールが一般開放されました。

20100328 サントリーHオープンハウス.JPG

私は正午過ぎに到着し、オーケストラ・コンサート(慶應義塾の学生オケの演奏)とオペラ名曲コンサート(ヴェルディの「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」からの曲など)を楽しみ、ホールのガイドツアーに参加しました。

お酒のメーカーらしく、ホールの随所にアルコールにちなんだトリビア的なこだわりが見られます

入口ロビー天井の大きなクリスタルガラスの照明は「光のシンフォニー」
20100328 サントリーHオープンハウス1.JPG

アルコールの分子構造(30面体)を表しているそうです。(照明デザイナー、石井幹子さんデザイン)

ホール正面の壁には1986年11月12日完成のホール初代館長の佐治氏のレリーフと、ホール建築の際にアドバイスもしたカラヤンのメッセージとサインが飾られています。
20100328 サントリーHオープンハウス2.JPG

カラヤンは最初のコンサート後に「音の“宝石箱”のようだ」と語ったとのこと。

ロビーには宮廷時代の扮装をした人も案内していました。
20100328 サントリーHオープンハウス10.JPG

2階に上がる階段の手すり部分の意匠。麦の穂。(ビールの原料)
20100328 サントリーHオープンハウス4.JPG

1階の小ホール「ブルーローズ」入口の白い壁に一輪の青いバラ
須田悦弘さんの木彫作品です。
サントリーが開発に成功した青い薔薇の品種。青い花を作り出すのは奇跡とも言われています。よって、花言葉は「夢かなう」

通路の壁にはやはり「麦」というタイトルのモザイク壁画。溜池山王駅13番出口の通路にも同じアートが飾られています。
絨毯の色はワインレッド
ドリンクコーナーINTERMESSO(間奏曲)にはウィスキーの山崎・響やビールのザ・プレミアムモルツも置かれています。ここは日本のコンサートホールで最初にアルコールが飲めるようになったそうです。

では、ホールの中に入りましょう。
20100328 サントリーHオープンハウス5.JPG

このホールはベルリンフィルハーモニーの劇場と同じヨーロッパ式の造りでシートは2006席。
ステージに向かって右側をR(Right)、左側をL(Left)、真ん中をC(Centre)、ステージの背後の段々畑状(ヴィンヤード形式)になっている座席はP(Podium)、ステージから後ろに向かってABCD席と続くスタイルをヨーロッパ式というそうです。

パイプオルガンも間近に見ることができました。
20100328 サントリーHオープンハウス8.JPG

ホールの壁は偶然だそうですが、ウィスキーの樽と同じオーク材。
シャンデリアのガラスは一枚一枚が葡萄の葉の形をしており、全体でシャンパンの泡を表現。

【おまけ】
先日、会員になっているフィットネスクラブの文化サロンで聞いた「オペラと歌舞伎」の話。

・古代ギリシャ・ローマの文化が5,6世紀にフランスやイギリスなど他のヨーロッパに広まったことと、中国文化が日本に伝わったことに文化的発展の類似性が見られる。
・キリスト教にとって、キリストは創造主であるのに対し、仏教におけるブッダは哲学者(悟りを開いた人)。
・ギリシャでは肉体(特に男性)を賛美し、裸の彫刻がたくさん作られた。
一方で、ローマでは肉体は悪の快楽をもたらすものとして、裸は隠せ、とされた。それで、ローマ風呂は廃止され、ステージ上でセックスをしていた演劇や音楽も廃止された。その時、キリスト教が台頭してきた。
・ルネッサンスの時期になり、過去を見直そうという動きのなかで演劇も復活。フラストレーション解消になった。
ローマカソリック教会から破門された人たちが役者となって演じた芝居で、おもに即興劇だった。
英国国教会のイギリスではジェントルマン(観客)の出現によりシェークスピア劇などの芝居が発生した。
・1600年前後、ヨーロッパではオペラ、日本では歌舞伎(出雲阿国の念仏踊りが発祥)の原型が始まった。
ローマでは女性が役者になるのは禁止。女のいない演劇(オペラ)が行われ、カストラートという去勢された男性が女役を演じ、普通の男性が男役を演じた。
一方、日本では、女が芝居に出ると遊郭になってしまうということで歌舞伎は男のみとなり、女形が女を演じることになった。

その時に聞いた話によると、オペラでは「歌っている」のではなく「語っている」のだそうです。
とは言うものの、オペラの歌は理解できないので歌舞伎のようにイヤホンガイド(解説)があるとわかりやすくていいのになぁ。

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