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有元利夫展 天空の音楽 [アート&デザイン]

白金台の東京都庭園美術館で開催中の没後25年「有元利夫展 天空の音楽」を観てきました。

20100829 有元利夫展.jpg
「厳格なカノン」(部分)、1980年、三番町小川美術館蔵

有元利夫(1946-1985)は、西洋のフレスコ画や日本の仏画に共通点を見出し、普遍の美を岩絵具や箔などを用いて表現を試みた画家。
38歳という短い生涯、たった10年ほどの画業を振り返る展覧会。絵画(タブロー)、版画、立体(塑造、乾漆、木彫、陶芸)、約100点。

彼の絵の特徴は、キャンバスに描いた絵具をわざと削ぎ落とし古く見せている。使われている色もどこか褪せたような古色を帯びている。欠落させること、時間の経過(風化)を感じさせることで深みを増す、との発想。
宗教画のようでもあり、大人のメルヘンの挿絵のようでもある。静寂と安らぎに満ちた絵。
画面の中央に描かれる女性は所在なげに存在し、自分の意思でそこにいるというよりも誰かによって連れてこられて置き去りにされたかのようで無表情。ややもすると男性にも見え、中性的で神秘的。
時として、人物は宙に浮き、花びらや玉が空中に浮遊している。彼いわく、「エクスタシーは浮遊」つまり、天にも昇る気持ちよさを浮遊という表現を使って描いている。

なんとも謎めいた魅力的な絵に出逢いました。

【おまけ】
自転車で庭園美術館へ向かう途中、プラチナ通りの禅カフェで休憩。
20100829 禅カフェ氷.jpg

この夏はじめてのカキ氷。宇治金時ミルク。この冷たさ、生き返ります。

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