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小谷元彦展 幽体の知覚 [アート&デザイン]

六本木ヒルズの森美術館で開催中の「小谷元彦展 幽体の知覚」を観てきました。

20110119 小谷元彦展1.jpg

彼の作品をはじめて見たのは5年以上前の金沢21世紀美術館か森美術館かの企画展だったと思う。でも、その時は作品だけが妙に印象に残っただけで、作家の名前は覚えてませんでした。

20110119 小谷元彦展2.jpg
初期の頃に見たのは右の女の子の写真「ファントム・リム」(部分、1997年、高橋コレクション)と左下のビデオ作品「ロンパース」(2003年)

それがここ数年、現代アートの展覧会をいくつか見てまわるうちに、なぜか気になる作品の作者名を見ると「小谷元彦」と書いてあることが増え、次第に意識して見るようになったのです。
最近見た展覧会「ネオテニー・ジャパン」「Hollow」にも出展されていた作品とも再会できました。

今回の展覧会のサブタイトル「Phantom Limb」(幻影肢)とは、腕や足が切断された後もその箇所に痛みや痒みを覚える現象のことをいうそうです。
「小谷はしばしば、痛みや恐怖などの身体感覚や精神状態をテーマに、見る者の潜在意識を刺激するような作品を制作します」
「彫刻というメディアのもつ性格に対して鋭敏な意識をもつ小谷は、彫刻特有の量感や物質性に抗う(あるいは逆手にとる)かのように、実体のない存在や形にできない現象、すなわち『幽体』(ファントム)をとらえ、その視覚化を試みてきたといえます」
(展覧会パンフレットの紹介文から引用)

私が一番気に入ったのは「Inferno」(インフェルノ)というヴィデオ・インスタレーション。(2008-10年)
高さ6m近くある八角形の部屋。八面の壁は布のスクリーン、上下は鏡張り。スクリーンには激しく水しぶきをあげながら流れる滝の映像が投影され、高嶋啓による現代音楽風の音が聞こえます。
八角形の部屋の中に入ると、自分が滝の圧倒的な水流に押し流されて底にしずんでいくかのような錯覚に陥ります。かと思うと、ある瞬間、今度は逆に上に押し上げられるような感覚の逆転、浮遊感も体験します。
これは実際に体感してみないと、その真の迫力は伝わらない。

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