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ブルネイ バンダル・スリ・ブガワン市内観光 [旅 ボルネオ島]

一ヶ月近くかかってレポートしてきたボルネオ旅行記、いよいよ終盤です。
クアラルンプールからコタキナバルに向かう飛行機で、三人掛けシートで一緒になった中国系のおじさん。(コタキナバル市内で空調設備会社を経営。名刺までくれた。文字が金文字、さすが中国系)
私たちがブルネイにも行く予定だという話をすると、キッパリと「Nothing to see in Brunei.」と言い切った。サバ州にはウミガメの産卵地であるタートル・アイランズ公園もあるし、なぜブルネイになんか行くんだ?的な感じだったけど、パッケージツアー参加者の私たちにそんなこと言われてもねぇ。
せっかくめったに行く機会のないボルネオ島に行くわけだし、“世界一裕福”とすら言われるブルネイという国がどんな所が自分の目で見てみたいというものではありませんか。

では、5時間の首都バンダル・スリ・ブガワン市内観光をご一緒に。

最初に訪れたのはロイヤル・レガリア(Royal Regalia、王室宝物史料館)
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白いドーム形の大きな屋根

前夜、ホテルからオールドモスクへ行く途中にあり、ずいぶん立派な建物だなぁ、と見ていた。
中はさらに豪華。
ドームの下に展示されているのは現国王(第29代)の即位パレード(1968年)の際に使われた金ピカの御所車(Royal Chariot)
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台座には国王たった一人が座っただけで数百人ものお付きの人たちが前後に控え、行列がくりひろげられたそうです。
御所車の両脇にあるのはお付きの人たちが持った楯や槍。

展示室には、国王の生い立ちや国の独立の歴史に関する写真、パネルでの紹介。
面白かった展示は、国王が被る冠は重量が重く首に負担がかかるため、座っている間、国王の顎を手のひらで支えるのに用いられた黄金の腕。
その他、世界各国から国王に贈られたギフトが数多く飾られ、眩いばかり。

現国王は19歳だった従妹と結婚(第一夫人)。第二夫人はブルネイ航空の元客室乗務員で国王に見初められたそう。第三夫人はマレーシアでニュースキャスターをしていた女性だったが、計画的に王室の財産を横領していたことが発覚し離婚。
国王はプライベートジェットを保有しているだけでなく、パイロット免許も持っており自ら操縦して外遊するそうです。
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続いて向かったのは市中心地から東に離れたところにあるブルネイ博物館(Brunei Museum)
博物館は6つの展示ギャラリーに分かれています。
1.イスラミックアート: イスラム模様のタイルなど
2.石油の歴史と技術: ブルネイは石油と天然ガスで潤っている国。
 東日本大震災後には援助もしてくれたとか。(日本はブルネイ最大の貿易相手国。輸出額全体の半分近くが対日輸出。輸出のほとんどが石油と天然ガス)
 最近はメタノール等の製造開発にも力を入れているらしい。
 ここでトリビア。ブルネイの石油はShellのみ。昔、貝殻売りをしていたのが社名の由来。
3.自然史: 動物の剥製などのジオラマ展示
4.伝統文化: 人々の誕生から結婚まで風習や文化を紹介
5.考古学と歴史: 先史時代から1984年の独立にいたるまで年代順に歴史をたどる
6.独立以後: 愛国心をあおる25年間の繁栄の様子 

二つの博物館を見学していて強い印象を受けたこと。それは公務員の働きざま。
はっきり言って、全く働く意欲なし。博物館の中で数人が集まっておしゃべりに花を咲かせていた。
日本人ガイドの説明によると、就労者の70%が公務員。国民の30%が王族系(三親等以内)。
個人所得税はなく、医療・教育は無償。年金は65歳以上で月250ドル(約17000円)
働かなくてもそこそこの暮らしができると、あんなにやる気のない働きぶりになるのか?
豊かすぎるのもいかがなものか、と思ってしまう私は貧乏性?

では、博物館から現実の生活の世界へ。
ボートに乗ってブルネイ川に浮かぶ水上集落カンポン・アイール(Kampong Ayer)を訪問。

ちょうど午前の学校から帰ってきた子供たち。見えにくいですが、先頭を歩いているのはSong Kokという黒い帽子を被っている男の子。
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水道のパイプ(左側の水色)がはりめぐらされ、頭上には電線も架かっています。
下水パイプ、ごみ回収もあり、川と海が交わっているため、蚊は出ないそうです。

600年以上の歴史をもつ世界最大の水上集落。集落内には学校、消防署、モスクもあります。
20110813 6ブルネイ水上集落4.JPG

一軒のお宅を訪問しました。壁一面に国王や王妃の写真などが掛けられています。
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ここは観光客を受け入れている所で、手作りのお菓子とお茶をいただきました。
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焼き菓子のほか、ウイロウのような蒸し菓子も美味しかった

女子学生たちを乗せたボートタクシーが水しぶきを上げてビュンビュン飛ばしていきます。
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ヤヤサンSHHBコンプレックスのそばのボート乗り場から上陸。
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デパートやスーパーマーケット、KFCなどのファーストフード店、ブランドショップも入っている巨大なショッピング・コンプレックスの二棟の建物の間を女子学生たちが楽しそうに買い物袋を提げて歩いてきます。

その向こうに白亜の近代的なモスク、スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク(Sultan Omar Ali Saifuddien Mosque、オールドモスク)が見えます。ぐるっとまわってラグーンのほうから見てみます。
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前夜にライトアップされたのを見ていた反対側

このモスクは、前国王、第28代スルタンの名前を冠しており、国王が在位中の1958年に完成。
イタリア人建築家の設計の建物は、イタリアからの大理石、中国からの御影石、イギリスからガラスやシャンデリア、ベルギーやサウジアラビアから絨毯など、世界中の一流品を集めて作られています。(総工費約500万USドル=約400億円!)
ラグーンに浮かんでいるのは16世紀の王室御座船のレプリカ。なんだかアラビアンナイトの世界ですね。

横にまわると、お昼のお祈りを終えてきた女性たちが出てきたところでした。
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女性たちは結構カラフルな服装です。長いドレスみたいのはBaju Kurungといい、実は私も16年前にクアラルンプールで仕事をしていた時、一緒にプロジェクトをやっていた地元大学生たちから帰国時の記念品にオレンジ色のを一着いただきました。(まだ実家にあるはず)
ちなみに頭を覆う布はTudungと言います。

ここで、いったん休憩。
ランチは宿泊したホテルと同じ並びにあるRadisson Hotelのレストランでビュッフェです。
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シーフードに野菜、お肉、ひととおりいただいた後は、デザート盛り合わせ♪(取りすぎて食べきれませんでした。反省)
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食後に向かったのは市中心地から南西にある王宮(Istana Nurul Iman)
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この写真はブルネイ川から撮影したもの

独立の年(1984年)に完成した王宮は1788もの部屋があるそうで、サッカー場並みの広い駐車場にはロールスロイスが並んでいるそうです。

正面の門はこんな感じです。
20110813 10ブルネイ王宮2.JPG
王宮内外にはネパールの山岳民族出身のグルカ兵(Gurkha)が警備にあたっています

普段は一般人は立ち入れない場所ですが、ラマダン明けのHari Raya Puasaの三日間は一般公開され、訪問者にはご馳走がふるまわれ、食後には男性は国王や王子たちと、女性は王妃や皇太子妃、王女たちと握手をする機会が与えられます。

最後は、現国王の即位25周年に合わせて建設されたジャメ・アスル・ハサナル・ボルキア・モスク(Jame'Asr Hassanil Bolkiah Mosque、ニューモスク)を訪れました。
20110813 11ブルネイ新モスク1s.JPG

伝統的な様式をふまえたモスクで、床や柱はイタリア製の一級品を使った総大理石。
29代に合わせて29個のドームがあるそうです。女性用のモスクも別にあります。

イスラム模様が美しい。
20110813 11ブルネイ新モスク3.JPG

何かと制約があるイスラム教。
他の宗教からイスラム教への改宗は問題ありませんが、その逆の改宗は認められていないとか。

それにしても首都だけでもいろいろと見るところがあるではありませんか。他にもジャングルでテングザルを見たり、キャノピーウォークを歩いたりといった体験もできるそうで、「Nothing to see」はデタラメです。

【おまけ】
空港に向かう途中に立ち寄った土産物店、ペランギ・ショッピングセンターでボルネオの旅の記念写真を撮りました。
20110813 13ペランギshop2.JPG

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