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あこがれのヴェネチアン・グラス [アート&デザイン]

旅行記を執筆する合間を縫って、“東京お出かけ”もちゃんとやっていました。

東京ミッドタウン、サントリー美術館で開催中のコーニング・ガラス美術館特別出品あこがれのヴェネチアン・グラス -時を超え、海を越えて」を鑑賞してきました。

20110912 あこがれのヴェネチアン・グラス.JPG
レースグラス・ゴブレット、ヴェネチア、17-18世紀、サントリー美術館蔵

毎年どこかの美術館で展示されているガラス作品。そして、毎年どこかのガラス展を見に行っている私。
ガラスの透明感、硬質でもあり柔軟でもある素材、優美なフォルム。その変幻自在さに魅力を感じているからかもしれません。

会場構成は次のとおり。

Ⅰ ヴェネチアン興隆:技術の応酬
ヴェネチアン・グラスは、1450年ごろ開発された無色透明ガラス「クリスタッロ」の誕生と、都市経済の繁栄を背景に、その芸術性を花開かせました。
多彩な技術。
・ダイヤモンドポイント彫り:ダイヤモンドやガーネットなどの硬い石を用いてガラス表面を引っ掻いて文様を付ける技法。レース編みの風情を表現しようと1530年代から使用された。
・レースグラス
・エナメル彩:ガラスの表面に色ガラスの粉末で作った顔料を塗り、低温で焼き付けて定着させる技法。
・オペーク、ホワイトグラス:白磁を模した乳白色ガラス。錫の酸化物を調合することによってガラスを白濁させる。
・カルセドーニオ:素地に加えた銀イオンが熱の変化によって多様な色彩をもたらすことで生じる燿変ガラス。大理石や半貴石を模したマーブルグラスの一種。15世紀後半にヴェネチアで考案された。
・アイスグラス:まだガラスが熱いうちに急冷却し、器の表面全体に亀裂(氷裂文)を起こさせる。

Ⅱ 流出したヴェネチアン:「ヴェネチア様式」の誕生
16ー18世紀にヨーロッパを席巻したヴェネチア様式。
16-17世紀に周辺諸国へグラスが輸出された。製品だけでなく、職人も国外移住し、オーストリア、ネーデルランド、ドイツ、スペイン、イギリスなどに伝播した。

Ⅲ ヴェネチアンと和ガラス
ヴェネチア様式の国外への伝播はヨーロッパにとどまらず、南蛮船の渡来によって日本にももたらされ、和ガラスの誕生にも影響を与えたと考えられています。

Ⅳ ヴェネチアン再興:19世紀イタリア
モザイクグラスはヴェネチアングラスの特徴の一つ。「ムッリーニ」と呼ばれる小花のようなモザイクグラス。 

Ⅴ 今に息づくヴェネチアン:現代アートへの影響
日本の藤田喬平、江波冨士子、植木寛子などの作品も展示されています。

思い起こせばガラス好きになったキッカケは、大学4年生の時、金沢で開催の国際ガラス展でコンパニオンを務めたことかもしれません。
その際、来場者の方々とともに国際コンペティションの受賞作を毎日間近に見て、ヴェネチアンやボヘミアン、北欧など世界のガラス工芸の産地、国内外のガラス作家について学びました。
(金沢市はアール・ヌーヴォーのガラス工芸作家エミール・ガレが活躍したフランス、ナンシー市と姉妹都市)

卒業旅行でヴェネチアにも訪れ、ムラーノ島にも渡りガラス工房の見学もしたのは懐かしい思い出です。

20110912 ヴェネチアン・グラスのブローチ.jpg
卒業旅行の際、買ったブローチ。

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