草間彌生「永遠の永遠の永遠」展 [アート&デザイン]
埼玉県立近代美術館(MOMAS)で「草間彌生 永遠の永遠の永遠」展を観てきました。
これまで、いろんな展覧会、場所(直島、霧島など)で草間さんのアート作品を見てきました。
今回の展覧会は近作・最新の作品ばかりでした。(すべて作者所蔵作品)
入口からアプローチに続くのは彫刻作品「新たなる空間への道標」
バーバファミリーみたいな赤地に白の水玉の球体。ところどころに彼女の手書きイラストが描かれています。
1階エレベータ手前には「明日咲く花」(2011年)
これが御年83歳(1929年、長野県松本市生まれ))が生み出す色と形なのですから驚異です。
2階がメイン会場。2004年から2011年にかけて創作された大量の絵画シリーズが展示されていました。(写真撮影は絵画はNG)
「愛はとこしえ」
2004年から2007年にかけて制作された50点。
白いカンヴァスに黒のマーカーペンで即興的に描かれた線画の原画をシルクスクリーンで転写した版画バージョン。
画面一面に女性の横顔、目、シダ類の葉のようなギザギザ、藻類のような、荒れ狂う波のような曲線。そして、所々に可愛い女の子の全身像や犬。
会場の展示の中には彼女が作った詩の作品もありました。
「未来はわたしのもの」の最後の4行。
(前略)
わたしは芸術の盾を持って
もっともっと人間としてのぼりつめていきたい
宇宙の果ての果てまで、心の高揚にすがりついて
生きて生きていきたいと祈る
「新作ポートレート」(2011年)は3点。
シルバーのキャンバスに黒をベースに自画像が描かれ、水玉が散りばめられている。
「わが永遠の魂」
2009年に始まり今も制作が続いている最新シリーズ。
(現在、世界巡回展でも多くの作品が展示されている)
「愛はとこしえ」の白黒の世界から一転、カンヴァスにカラフルなアクリル絵具で自由奔放に描いた色彩の作品。
162cm×162cmの正方形のキャンバスにキレイな色でデザインされたような絵画は大判のスカーフを広げたかのようにも見える。
先日のドキュメンタリー番組で見たが、草間さんはほぼ毎日、入院している精神病院から近くのアトリエに出向き、テーブルにキャンバスを平らに置き、キャスター付きの椅子に腰掛け、ただひたすらに画面に向かって描き続ける。渾身の制作活動。
彼女は言う。描いていないと死んで(自殺して)しまう、と。
詩「永遠の永遠の永遠」
毎日、私をおそってくる死の恐れを克服する時は
私は命の限りの心をしづめて
芸術へのあこがれを見いだすのだった
(中略)
平和と人間愛の行き着く所への不滅の志をもって
命の限り、たたかっていきたい
そして、地球の人々に告ぐ
未来は原爆や戦争をやめて
かがやいた生命を
永遠の永遠の永遠に
私の精魂こめた芸術をぜひ見てほしい
あなたたちと一緒に宇宙にむかって
心から人間賛美をうたい上げよう
「大いなる巨大な南瓜」(2011年)
左奥に見えるのが「わが永遠の魂」のシリーズ
「チューリップに愛をこめて、永遠に祈る」(2011年)
白地に赤い水玉模様のチューリップと鉢が3体。床、壁、天井も同じパターン
1990年代に制作が始まったFRP(繊維強化プラスチック)による巨大彫刻。
その他、床面に浅く水が張られ、壁と天井がミラー張りの四角く暗い空間にLEDの光が色を変えながら無限に増殖していく「魂の灯」(2008年)という立体作品も含め、「幸福の彫刻たち」という構成名。
地階から吹き抜けになっているスペースには巨大な「ヤヨイちゃん」が宙に浮いています。
草間さんは自分を前衛芸術家と名乗ります。
いつも“一歩先を行く”アートを生み出す草間さんのパワー、信念、若々しさ。
見習いたいところです。
【おまけ】
埼玉県立近代美術館は常設の作品も素敵なものがたくさん。
吹き抜け空間の一角にあった彫刻「枢機卿」 気品を感じます。
屋外にも彫刻作品が設置されています。外階段。
振り返ると、北浦和公園の新緑。
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これまで、いろんな展覧会、場所(直島、霧島など)で草間さんのアート作品を見てきました。
今回の展覧会は近作・最新の作品ばかりでした。(すべて作者所蔵作品)
入口からアプローチに続くのは彫刻作品「新たなる空間への道標」
バーバファミリーみたいな赤地に白の水玉の球体。ところどころに彼女の手書きイラストが描かれています。
1階エレベータ手前には「明日咲く花」(2011年)
これが御年83歳(1929年、長野県松本市生まれ))が生み出す色と形なのですから驚異です。
2階がメイン会場。2004年から2011年にかけて創作された大量の絵画シリーズが展示されていました。(写真撮影は絵画はNG)
「愛はとこしえ」
2004年から2007年にかけて制作された50点。
白いカンヴァスに黒のマーカーペンで即興的に描かれた線画の原画をシルクスクリーンで転写した版画バージョン。
画面一面に女性の横顔、目、シダ類の葉のようなギザギザ、藻類のような、荒れ狂う波のような曲線。そして、所々に可愛い女の子の全身像や犬。
会場の展示の中には彼女が作った詩の作品もありました。
「未来はわたしのもの」の最後の4行。
(前略)
わたしは芸術の盾を持って
もっともっと人間としてのぼりつめていきたい
宇宙の果ての果てまで、心の高揚にすがりついて
生きて生きていきたいと祈る
「新作ポートレート」(2011年)は3点。
シルバーのキャンバスに黒をベースに自画像が描かれ、水玉が散りばめられている。
「わが永遠の魂」
2009年に始まり今も制作が続いている最新シリーズ。
(現在、世界巡回展でも多くの作品が展示されている)
「愛はとこしえ」の白黒の世界から一転、カンヴァスにカラフルなアクリル絵具で自由奔放に描いた色彩の作品。
162cm×162cmの正方形のキャンバスにキレイな色でデザインされたような絵画は大判のスカーフを広げたかのようにも見える。
先日のドキュメンタリー番組で見たが、草間さんはほぼ毎日、入院している精神病院から近くのアトリエに出向き、テーブルにキャンバスを平らに置き、キャスター付きの椅子に腰掛け、ただひたすらに画面に向かって描き続ける。渾身の制作活動。
彼女は言う。描いていないと死んで(自殺して)しまう、と。
詩「永遠の永遠の永遠」
毎日、私をおそってくる死の恐れを克服する時は
私は命の限りの心をしづめて
芸術へのあこがれを見いだすのだった
(中略)
平和と人間愛の行き着く所への不滅の志をもって
命の限り、たたかっていきたい
そして、地球の人々に告ぐ
未来は原爆や戦争をやめて
かがやいた生命を
永遠の永遠の永遠に
私の精魂こめた芸術をぜひ見てほしい
あなたたちと一緒に宇宙にむかって
心から人間賛美をうたい上げよう
「大いなる巨大な南瓜」(2011年)
左奥に見えるのが「わが永遠の魂」のシリーズ
「チューリップに愛をこめて、永遠に祈る」(2011年)
白地に赤い水玉模様のチューリップと鉢が3体。床、壁、天井も同じパターン
1990年代に制作が始まったFRP(繊維強化プラスチック)による巨大彫刻。
その他、床面に浅く水が張られ、壁と天井がミラー張りの四角く暗い空間にLEDの光が色を変えながら無限に増殖していく「魂の灯」(2008年)という立体作品も含め、「幸福の彫刻たち」という構成名。
地階から吹き抜けになっているスペースには巨大な「ヤヨイちゃん」が宙に浮いています。
草間さんは自分を前衛芸術家と名乗ります。
いつも“一歩先を行く”アートを生み出す草間さんのパワー、信念、若々しさ。
見習いたいところです。
【おまけ】
埼玉県立近代美術館は常設の作品も素敵なものがたくさん。
吹き抜け空間の一角にあった彫刻「枢機卿」 気品を感じます。
屋外にも彫刻作品が設置されています。外階段。
振り返ると、北浦和公園の新緑。
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