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工芸未来派 [アート&デザイン]

今回の帰省でも行きは小松空港に降り立ち、金沢での時間を過ごしました。

目的はこちら。
20120714 工芸未来派1.JPG

金沢21世紀美術館で開催中の企画展「工芸未来派」を見るためです。

工芸の“現在性”と“世界性”を問う展覧会で、工芸が今の表現であり世界共通の表現であるか、という疑問から生まれた企画展だそうです。
工芸独自の技法を用い、工芸独自の歴史観を参照しながらも、これまでの工芸とは明らかに異なったアプローチをしている現代アートとしての作品が展示されています。

20120714 工芸未来派2.JPG

出品作家と主な特徴は次のとおり。

見附正康(上↑の写真の上段左)
九谷焼の赤絵。コンピュータグラフィックのような精密で規則正しいデザイン。イスラムのアラベスク模様のようでもある。

山村慎哉(上段真ん中)
夜光貝や卵殻、金粉などを使った蒔絵。羽根を付けたような合子、果物や家の形をした小箱など造形も愛らしい。

猪倉高志(上段右)
白い半磁土。鋳型から取り出した石膏細工のよう。

桑田卓郎(展覧会チラシ作品および中段左)
梅華皮志野垸。焼き物の生地と釉(うわぐすり)の縮み具合が異なることから、梅の幹のように皮が剥がれたような焼き肌になり、梅花皮(カイラギ)と呼びます。

葉山有樹(中段真ん中)
有田焼。仏教曼荼羅図のように細密でもあり、龍などを描いたものは井上雄彦の漫画にも似た劇画風でもあり。

中村康平(中段右)
「イデアの玉座」の脚は金属のようにも見える焼き物。

中村信喬(下段一番左)
博多人形のような艶やかな焼き肌。清潔感があふれる。

青木克世(下段左から二番目)
白い磁土を使った作品。青はデルフト焼や染付のような清々しいブルー。

野口春美(下段右から二番目)
陶土や木を使った独特の素朴な風合いと「鬼の子」のような童話的なモチーフ。

「雲龍庵」北村辰夫(下段一番右)
分業制の工房で作り出される作品は、精巧なデザインを実現する卓越した技術によるもの。

竹村友里
厚みがあり丸みをおびた茶碗型の作品。

大樋年雄
ハワイ、コロラド、北京、景徳鎮など世界各地の土を使い、その土地で焼いた楽焼茶碗。

本展キュレーターでもある金沢21世紀美術館長の秋元雄史さんは、「“新しい時代の工芸”“未来に向かう工芸”として、工芸の『未来派』と呼んでみたい」と言っています。


【おまけ】
この日の金沢は雨。
20120714 金沢21C美1.JPG
常設作品「タレルの部屋」にて

屋上の「雲を測る男」も曇り空では苦労しています。
20120714 金沢21C美2.JPG
朝顔のグリーンカーテンはこれから蔓が伸びるところ

同時開催のコレクション展「ソンエリュミエール(Son et Lumiere) 物質・移動・時間」も素敵な作品の数々です。
音と光。
現代の美術家を旅人と捉え、特に物質、移動、時間をキーワードに世界を見つめなおすテーマです。
出品作家は、木村太陽、岸本清子、サイトウ・マコト、アンディ・ウォーホル、ヤン・ファーブル、ゲルハルト・リヒター、田嶋悦子、草間彌生、ペーター・フィッシュリ ダイヴィッド・ヴァイス、ゴードン・マッタ=クラーク、秋山陽、カールステン・ニコライ、粟津潔、マグナス・ヴァリン


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