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京都南座 [建築&インテリア]

京都南座の歴史とともに建物をご紹介します。

・元和年間(1615-1623)に京都四条河原付近に公許された七つの(やぐら)のうち今も残る唯一の劇場。塔屋の上に梵天(幣帛)が二本飾られている。

20090425 7京都南座1.JPG

・明治39年(1906)より白井松次郎、大谷竹次郎兄弟の松竹合名社が経営にあたる。提灯にも松と竹の紋が描かれています。

20090425 7京都南座3.JPG

・大正2年に改築。さらに昭和4年、由緒ある櫓を備えた桃山風破風造りの豪華な劇場を竣工。
・平成3年(1991)、内部を全面改修。最新設備の近代劇場として改装。
こちら客席天井です。昔の芝居小屋は屋外で舞台だけに屋根がついていたことから今でもその名残で舞台の客席側の天井に屋根がついています。

20090425 7京都南座13.JPG

・平成8年、南座の建物は国の登録有形文化財に指定。
内部の照明、ドア、階段の細部にいたるまで意匠が凝らされています。

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今回の歌舞伎鑑賞教室では「幕」についても学びました。

定式幕(じょうしきまく)
おなじみの黒・柿・萌黄の三色の縦縞の幕。(最近では永谷園など似たような色合わせがありますが、歌舞伎で使われたのが最初です)

20090425 7京都南座12.JPG

左に見えるのが花道。全体の長さのうち、やや舞台寄りのあたりを七三と呼び、役者が立ち止まって台詞を言ったり見栄をきったりする場所です。
また、南座には(せり)が11個もあるそうで、幻想的な照明のなか音楽に合わせて回転舞台を使って11のせりが一気に上がり下がりする滅多に見られない圧巻のショーを見せてくれました。鑑賞教室の醍醐味です。

浅黄幕(あさぎまく)
歌舞伎の舞台装置の中でも幕は重要な役割を果たします。
薄い水色(あさぎ色)の幕は昼を表す背景として使用されるほか、舞台前方に吊るして舞台転換を隠す際にも使われます。そして(ひょうしぎ)の合図で瞬時に幕を落とすことを「振り落とし」と言います。瞬時に場面転換できるスグレモノの舞台装置です。

歌舞伎用語から慣用句になった言葉も多く、「幕を切って落とす」とは、歌舞伎の開演時、舞台の幕の上部をはずして一気に落とすことに由来した言葉で、物事を華々しく始めるという意味になりました。

「チョンパ」という表現があるそうですが、暗転から照明がついてパッと明るくなるさまを表す業界用語です。

歌舞伎においては黒は「無の色」という暗黙の了解があります。
全身黒づくめの衣裳で黒い頭巾をかぶった人が時々舞台上に現れ役者の早替わりの仕掛けを手伝ったり要らなくなった小道具を片付けたりしますが、黒衣後見(くろごこうけん)と言います。この人は黒=無なので、舞台上ではいわゆる透明人間なのです。
自分は表に出ないで裏で人をあやつる人を「黒幕」と呼びますが、これも歌舞伎からきた言葉。
登場人物が死んで、同じ場所で話が続いていく場合、「消し幕」という黒い幕で死体の役者を包み隠し、舞台から退場させます。黒は無を意味しますから、観客は実際には見えていても黒い幕の裏のできごとは見えないものとして了解するのです。

このように一層、歌舞伎の奥深さを感じることができた鑑賞教室でした。

【おまけ】
劇場でのトイレはとにかく込み合います。限られた休憩時間に長い列ができることはごく普通。そんな時、こんな表示があると少しだけイライラが解消されます。
                               20090425 7京都南座17.JPG

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