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江戸の赤 [アート&デザイン]

文政8年(1825年)、日本橋小舟町に創業した紅屋、伊勢半本店紅ミュージアムに行ってきました。

紅花の花弁に1%だけ含まれる赤色色素が「紅」
口紅、衣類の染料、食品などなどに使われる紅。そんな伝統の色、紅を紹介しているミュージアムです。

現在は「江戸の赤」という企画展を開催中。

20091017 江戸の赤1.JPG

鉱物系のベンガラ・朱・丹、植物系の茜・紅花・蘇芳などを色材に用い、その濃淡によって朱色・緋色・紅色・臙脂色などの多様な赤色を生み出してきた赤。
生命を象徴する色は魔除けや呪い(まじない)に使われ、服飾面では長く禁色とされていたそうです。
赤は人目をひく色でもあり、主張性の激しい強い色ということで、権威の象徴としても使われました。

印鑑を押すときの朱肉。この朱色も権威の象徴でしょうか?

ミュージアムの入口のサロンスペースでは水で溶いて使う口紅の小町紅を試すことができます。

20091017 江戸の赤3.jpg 水で溶く前は光沢のある玉虫色 

水の分量や重ねる回数によって桃色から深紅まで色を変えられます。私も唇に塗ってもらいましたが、不思議なもので筆で塗られるときは昔の女性に思いをはせ、しとやかな気分になりました。

紅の体験のほか、来館者には紅花茶と一緒に落雁をもてなしてくれます。

20091017 江戸の赤2.JPG

金沢の銘菓、長生殿です。このピンク色も伊勢半の紅で染められているとのこと。はじめて知りました。

前の記事のA to Z cafeもこの紅ミュージアムも、東京メトロ発行の無料情報誌で紹介されていた場所。無料情報に感謝です。

【おまけ】
にまつわる私の思い出。
今でこそ、すべての色を着こなす(自慢げ?)私ですが、子供の頃は着る服は母が選び、「あなたは赤は似合わないから」という理由で禁色でした。
それが、小学校5年か6年の冬、なぜか店で見かけた真っ赤なコートを着たくなり、夕食時に「あの赤いコートが欲しい~!」とせがむと、厳しい父に「そんなにうるさく言うヤツは家の外に出ろ!」とたしなめられ、これまた反抗心の強かった私は寒空のもと玄関外に出て行ったのでした。
でも、その冬、赤いコートを着ていたということはお許しが出たということだったようで。物をねだった記憶が少ないだけに、なぜあんなに赤いコートにひかれたのか今にしてみれば疑問です。

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タグ:南青山 老舗
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まるち

いっこさんの赤い思い出を読んで、自分の昔の写真が気になり
ふとアルバムに手がのびたのですが・・・・白黒でした(笑)
by まるち (2009-10-23 05:19) 

いっこさん

★まるちさん、私のアルバムの写真もはじめの頃は白黒です。(左上のプロフィールの写真も)保育園の頃(1970年前後)からカラーになったようです。
それよりも悲しいのが、最初の写真がいきなり立ち上がっていることです。つまり、生まれたばかりの赤ちゃんのときや這い這いしているときのものがなく、私は橋の下から拾われてきた子だと思っていました。(長男だった兄は両親と3人で写真館で記念写真を撮っているのとは大違い。。)
by いっこさん (2009-10-23 22:36) 

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