SSブログ

オルセー美術館展 [アート&デザイン]

文化の日の3日、砧公園内にある世田谷美術館で開催中のオルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー -19世紀末の華麗な技と工芸-』を観てきました。

20091103 オルセー美術館展1.JPG
(エクトル・ギマールの天井灯、モーリス・ブヴァルのインク壺)

1900年、パリ万国博覧会の開催に合わせて誕生したのがセーヌ河畔に立つオルセー駅。その頃は19世紀末から20世紀初頭に起こったアール・ヌーヴォーの全盛期。
1986年に改築され、美術館として生まれ変わりました。(私が訪れたのは1989年の冬。オープンして間もなかったのですね。そして、パリにはそれ以来20年行っていない。。)

コレクションは2月革命があった1848年から第一次世界大戦が起こった1914年までの作品。印象派、後期印象派のほかアール・ヌーヴォーの工芸部門、写真・グラフィックアートを含む19世紀のフランスの幅広い芸術作品を収集、公開しています。

今回の企画展ではオルセー美術館が誇るアール・ヌーヴォー・コレクションから工芸・家具・装飾芸術の収蔵品95件、147点が来日。

20091103 オルセー美術館展2.JPG

展示会場はパリの豪華な邸宅に入り込んだかのような構成。

1.サロン
サロンは客人を迎え入れ、もてなす場所でもあり、食後にタバコ、お酒、ゲームを楽しみながら知的会話を楽しむ交流の場でもありました。

アール・ヌーヴォーの特徴は曲線、波状の装飾性。また、植物や小動物、昆虫といった自然主義的なモチーフがしばしば用いられますが、これは日本美術(ジャポニスム)の影響。

2.ダイニング・ルーム
客人に晩餐を饗する食事のための空間。家具、食器、カーテンなどはすべて一つの様式で統一することが目指されたそうです。

3.書斎
家の主人のための部屋であり、所有者の財力を映し出す空間。

興味深かったのはアンリ・リヴィエールの『エッフェル塔三十六景』
日本の浮世絵の木版画に影響を受けたリヴィエールが葛飾北斎の『冨嶽三十六景』を下敷きに制作したもの。

4.エクトル・ギマール
エクトル・ギマール(1867-1942)はリヨンに生まれ、パリで素描と建築を学び、イギリスでアーツ・アンド・クラフツ、ベルギーでヴィクトール・オルタの建築手法を吸収した。

1900年のパリ万博に合わせて開通したメトロの流麗な曲線を使った入口のデザインを手がけたのは彼。
公共建築をアートにする‘ゆとり’って好きですね。フランスらしい。

5.貴婦人の部屋
19世紀末のフランスが国家として装飾芸術振興運動を推進する際にお手本のひとつにしたのが18世紀のエレガントなロココ美術。貴婦人の部屋は優美な室内装飾で飾られています。

6.サラ・ベルナール
パリ生まれの女優、サラ・ベルナール(1844-1923)
彼女はアルフォンス・ミュシャを発掘したことでも有名で、6年間、ミュシャと専属契約を結び、ポスターの中に登場するなどセルフ・プロデュース力に長けた女性でもあったようです。

7.パリの高級産業
七宝、陶芸、金工の精巧な装飾品が展示されています。

優雅な気分に浸れる展覧会です。
(アール・ヌーヴォーは好きだけど、見て好きなものと自分の部屋に置きたいものとは異なるのですよねぇ。オブジェとして1点置くのはいいとしてもアール・ヌーヴォーの家具が置かれた部屋、ちょっと違うなぁ。ま、豪邸ならばアリかもしれないけど)

ランキング参加中。よろしければクリックを→ にほんブログ村 美術ブログへ

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

八丈冨士世田谷美術館 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。