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没後400年特別展 長谷川等伯 [アート&デザイン]

上野東京国立博物館 平成館で開催中の「没後400年特別展 長谷川等伯を鑑賞してきました。

20100312 長谷川等伯展1.jpg
(国宝「楓図壁貼付」部分、1593年ごろ、京都・智積院蔵)

長谷川等伯(1539-1610)は石川県の能登(私の出身!)・七尾に生まれ、はじめは信春と名乗り主に仏画を描いていましたが、30代で京都に新たな活躍の場を求めて上洛。
当時は豪壮華麗な芸術が発展した絵画の黄金期「桃山」
その中で等伯は、肖像画、金碧障壁画、水墨画などを描きわけ、豊臣秀吉や千利休ら時の権力者に重用され、一躍時代の寵児に、そして狩野永徳率いるトップ絵師集団の最大のライバルになるまでに。

この特別展では、国宝3件、重要文化財30件を含む国内に存在するほぼすべての等伯作品を一挙公開。
これは見逃すわけにはいきません。

第1章 能登の絵仏師・長谷川信春
畠山氏の家臣・奥村家の子として生まれたが、染色業・長谷川家の養子となり絵の手ほどきを受けた。
展示作品には石川県、富山県の寺院所蔵のものが多い。

第2章 転機のとき-上洛、等伯の誕生-
絵仏師という枠を超えて、オールマイティな絵師を目指した。

第3章 等伯をめぐる人々-肖像画-

第4章 桃山謳歌-金碧画-
金の輝きと壮大なスケール感が圧倒する大きな作品。
「花鳥図屏風」国宝「楓図壁貼付」国宝「松に秋草図屏風」重要美術品「柳橋水車図屏風」「萩芒図屏風」「柳に柴垣図屏風」重要文化財「波濤図」
 
第5章 信仰のあかし-本法寺と等伯-
等伯は生涯、法華経を信仰した。
縦10m横6mの重要文化財「仏涅槃図」(1599年、京都・本法寺蔵)は圧巻。
沙羅双樹のもとで横たわる釈迦。その周囲には釈迦の死を哀しむ人々、動物たち。ラクダや鶴、象などの動物までも涙を流している。慟哭、嗚咽の声が聞こえてきそう。

第6章 墨の魔術師-水墨画への傾倒-
豪華絢爛な金碧画様式から一転して墨の濃淡ですべてを表現するモノトーンの世界へ転向。
重要文化財「枯木猿猴図」の猿の毛の質感は触ってみたくなるほどリアル。

第7章 松林図の世界

20100312 長谷川等伯展2.jpg
(国宝「松林図屏風」16世紀、東京国立博物館蔵)

松林を包み込む濃密な霧。冷たい雨がそぼ降っているのかもしれない。湿った大気の重量感。深閑とした松林に流れる静寂感。
この屏風の前に立つといろんな感覚を刺激されます。

【おまけ】
美術鑑賞の前に東洋館(改装のため休館中)別棟のレストラン・ラコールで食事。

20100312 国博東洋館ラコール.jpg

庭が見えるカウンター席でボロネーゼ。紅・白・淡いピンクの梅が満開です。

朝食(Breakfast)と昼食(Lunch)を兼ねた食事はBrunchと言いますが、夕食(Supper)を兼ねた遅めの昼食にはLupper?
お店の方に「食後の飲み物はどうされますか?」と聞かれ、「食後ではなく今、グラスワインをお願いします」
体調がすぐれないときはアルコールもコーヒーも控えていましたが、先週からどちらも解禁。そしたら、どんどん体調が良くなった。(良くなったから美味しく感じるのかもしれないけど)

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しーちゃん

長谷川等伯展、行かれたんですね。国宝3件、重要文化財30件はすごい。私は岐阜なんですが、京都の展覧会に行くかどうか迷ってます。NHK日曜美術館で等伯の絵を見て、ますます行きたくなってしまいました。
by しーちゃん (2010-03-17 01:41) 

いっこ

★しーちゃんさん、いらっしゃいませ。
京都、是非足を運んで見に行ってください。きっと満足するはずです。
私は北大路魯山人展(名古屋)を見に行けばよかったと後悔しています。
by いっこ (2010-03-17 23:41) 

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