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福田平八郎と日本画モダン [アート&デザイン]

先週末、広尾の山種美術館で開催中の特別展、生誕120年「福田平八郎と日本画モダン」の前期展示を観てきました。

20120624 福田平八郎と日本画モダン.JPG

日本画家、福田平八郎(1892-1974)
斬新な色と形を追求したカラリストと呼ばれています。
生誕120年にあたり、彼の画業を振り返るとともに、対象から昭和にかけて活躍した作家たちの「モダン」な作品が紹介されています。

カテゴリーは日本画ですが、その見た目の雰囲気やモダンさは洋画にも見え、現代アートにも通じるデザイン性を感じます。

会場構成と主な展示作品(私が気に入ったもの)は次のとおり。

1章 福田平八郎
「牡丹」(1924)葉脈の一本一本、花びらのシワまで丹念に描いた怪しさをも醸し出す細密描写
「漣」(1932、さざなみ、前期展示)彼にとってターニングポイントになった作品。銀地に群青一色で波立つ湖面を描いた写実と抽象のどちらにもとれるモダンな作品
「花菖蒲」(1934)「游鮎」(1935) 福田は、同じモチーフ(花菖蒲、鮎、牡丹など)の作品を何点も描いた
「筍」(1947)デザイン化された無数の竹の落ち葉と写実的な二本の筍の取り合わせ
「雨」(1953、上↑の作品、後期展示)二階にある自分の画室から窓の外に目をやると見える屋根瓦。その時、雨が降り始めた。落ちた雨粒の跡をとらえた作品。瓦屋根という面の一部、雨が降り始めた瞬間、空間と時間を切り取り封じ込めた絵。

2章 日本画モダン
・琳派へのオマージュ
 加山又造「千羽鶴」(1977)山種美術館ロビーの陶板とその小下絵「涛と鶴」
・主題の再解釈
 土田麦僊「大原女」(1915)
・大胆なトリミング、斬新なアングル
 川端龍子「月光」(1933)
 奥村土牛「木蓮」(1948)
 徳岡神泉「芋図」(1943)
 橋本明治「双鶴」(1972)
・構図の妙
 富取風堂「軍鶏」(1932)
 山口蓬春「夏の印象」(1950)
 牧進「寒庭聖雪」(1981)
・風景のデザイン化
 小野竹喬「沖の灯」(1977)
 山本丘人「雪に立つ樹」(1957)
 正井和行「流水」(1975)


【おまけ その1】
山種美術館での美術鑑賞以外の楽しみ。カフェ椿でのティータイム。
20120624 華の王&抹茶.JPG
 
福田平八郎の作品「牡丹」(花籠に盛られた大輪の牡丹の花)にちなんだ銘「華の王」(練りきり菓子)と抹茶のセット。
図録の掲載写真は代表作「漣」

【おまけ その2】
展覧会の関連イベントとしてフォトコンテストが開催されています。
福田平八郎の絵画表現の特徴である「トリミング」「斬新な構図」「反復」「抽象化」「色彩美」などのテーマを意識した写真が対象です。

私も応募しようかな。一つ目の候補写真は美術館に行く途中、広尾の近辺を歩いていて撮影した「急坂」
20120624 広尾急坂.JPG


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