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アヴァンギャルド・チャイナ [アート&デザイン]

大阪・中之島にある国立国際美術館で開催中の『AVANT GARDE CHINA』20 Years of Chinese Contemporary Art(中国当代美術 二十年)を観てきました。

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張洹(ジャン・ホァン)『池の水位を上げる』(1997年、ビデオ約6分)

(企画展チラシより概要紹介)
文化大革命が終わり、それまでの文化的鎖国状態から海外の新しい美術が徐々に中国にももたらされるようになった1979年、表現の自由を求め、北京のグループ星星画会のアーティストたちから始まったと言われる中国の現代美術。
その後も、天安門事件などの政治的状況の変化や市場経済体制への移行などの流れのなかで、中国現代美術も「八五美術運動」と総称される先鋭的なグループの活動、資本主義を揶揄的に扱う「ポリティカル・ポップ」や民主化運動の敗北と挫折を味わった世代による「シニカル・リアリズム」を経て現在にいたっています。

1980年代中ごろからの約20年間の中国現代美術。
欧米、日本ではすでに使わなくなりつつ“前衛”という言葉が中国でようやく積極的な意味を持つようになってきた時代です。

出展作家は50年代半ば~70年代後半の生まれ。
①黄永砅(ホアン・ヨンピン)②王広義(ワン・グァンイー)③張培力(ジャン・ペイリー)④丁乙(ディン・イー)⑤張暁剛(ジャン・シャオガン)⑥方力均(ファン・リジュン)⑦触覚小組(タクタイル・アート)⑧新刻度小組(シンカドゥ・グループ)⑨顧徳新(グ・ダーシン)⑩馬六明(マ・リウミン)⑪張洹(ジャン・ホァン)⑫孫原&彭禹(スン・ユァン&ポン・ユゥ)⑬楊振中(ヤン・ジェンジョン)⑭楊福東(ヤン・フードン)⑮曹斐(ツァオ・フェイ)⑯徐震(シュー・ジェン)

20090308 アヴァンギャルド・チャイナ2.jpg

上段左から①②⑥⑤の作品
下段は⑪⑨⑫⑩⑮

一番印象的だったのは、⑫の『老人ホーム』(2007年作品)
13組の電動車椅子とそれに乗った人物大(老人)の樹脂製の人形。車椅子に座っている老人たちは目を閉じ、力なく上を向いているか俯いて体を傾け椅子からずり落ちそう。お互いの車椅子がぶつかっても知らんぷり。時代に対する虚無感を意味するのか、単なる痴呆症の老人なのか。

他には攻撃的・反抗的な内容の絵②や無表情な人民服の家族を描いた鬱屈した絵⑤、自由の象徴的な表現、ヌードの男女が登場するビデオ作品などがありました。

【おまけ(その頃の中国のエポック)】
1976年 1月 周恩来首相、死亡
    4月 第一次天安門事件
    9月 毛沢東主席、死亡
   10月 「四人組」逮捕
1989年 6月 第二次天安門事件
1997年 2月 鄧小平、死亡
    6月 香港、イギリスから中国へ返還
1999年12月 マカオ、ポルトガルから中国へ返還 

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大阪の建築ウォッチング [建築&インテリア]

数年ぶりに訪れた大阪でも古い建物が壊され、新しいビルがいろいろと建設中でした。
JR大阪駅(大丸百貨店が拡張するらしい)、大阪駅前にある阪急百貨店は半分ずつ建物を取り壊し新しく高層化していました。

そして私が出かけた中之島では。

東洋陶磁美術館の向かいには大阪市中央公会堂

20090308 大阪市中央公会堂1.JPG

手を加えながら保存されています。やはり歴史的建造物はお金をかけてでも残すべきだと私は思います。

20090308 大阪市中央公会堂2.JPG
20090308 大阪市中央公会堂3.JPG

京阪電車でまたまた引き返し、渡辺橋駅で下車。田蓑橋詰めにある古くて味のある建物がダイビル本館

20090308 ダイビル本館1.JPG

こんなふうに彫刻が素晴らしい。

20090308 ダイビル本館3.JPG
20090308 ダイビル本館2.JPG

しかし、近いうちに取り壊されるそうです。もったいない。また歴史が消える。。
近くにはすでに新しいダイビルの高層ビルが建っていました。

20090308 中之島ダイビル.JPG

とりあえず玄関に彫刻をほどこしてはいますが、無理やりくっつけた感があります。

付近に数年前に新しくできたのが国立国際美術館

20090308 国立国際美1.JPG

帆船のマストのようです。こんな未来的な建物の向こうには面白CMで知られる防虫剤メーカーの金鳥(KINCHO)の本社ビルが見え、その対比にどことなく大阪らしさを感じてしまいます。

さて、中にはいると広々とした空間。そして、こちらはミュージアムショップの入り口。人影が映っていますが人間の姿はありません。これも作品です。

20090308 国立国際美3.JPG

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タグ:建築
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パラモデリック・グラフィティ [アート&デザイン]

全然あてにしていないところで思いがけない素敵なものに出会うと心の底から私ってなんてラッキーなんだろうと、幸せな気分に浸り思わず笑顔になってしまいます。
先日の大阪でもそんな出来事に遭遇しました。

大阪市立東洋陶磁美術館へ行くのに宿泊ホテル、リーガロイヤルの最寄駅である中之島駅から京阪電車に乗り、なにわ橋駅で下車[電車]
改札口を抜け地上に上がろうとエスカレータを登りつめると壁際に見たことのあるブルーのプラレールが這っています。

20090308 なにわ橋駅パラモデリック2.JPG

地下1階コンコースのコミュニケーション空間「アートエリアB1」でアートプロジェクトとしてアーティストユニット、パラモデル(林泰彦+中野裕介)のインスタレーション『パラモデリック・グラフィティ at なにわ橋駅』が展開中でした。

20090308 なにわ橋駅パラモデリック4.JPG

このアーティストユニットを知ったのは東京赤坂で昨年の9月に開催されていたイベント、Akasaka Art Flower 08の参加アーティストとして旧赤坂小学校の体育館で同様のプラレールのインスタレーションを見たのが最初。とても印象的でした。

こんなにたくさんプラレールを使っています。(玩具メーカー、タカラトミーが提供しているのでしょうか)

20090308 なにわ橋駅パラモデリック3.JPG

クレーンで吊り上げられている地球のそばに立っているのは大阪のシンボル、通天閣。

20090308 なにわ橋駅パラモデリック5.JPG

いろんな若手アーティストが次々と活躍していて何だかうれしいです。

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濱田庄司 堀尾幹雄コレクション [アート&デザイン]

私は時々迷信めいたものや運命的なものを感じることがあります。

いろんな出来事が偶然起こっているのではなく、何かの縁に導かれてつながっているような気がすることがしばしばあるからです。

例えば最近では、2月に東京都美術館で『生活と芸術 アーツ&クラフツ展』で日本の民藝運動の芸術家(濱田庄司、バーナード・リーチ、河井寛次郎ら)の作品などを見て、先週末に出かけた大山崎山荘美術館で彼らの他の作品にふれ、その後に行ったリーガロイヤルホテル大阪のロビーで大阪市立東洋陶磁美術館で開催中の特別展『濱田庄司 堀尾幹雄コレクション』のチラシを見つけたのです。

20090308 濱田庄司展1.jpg

そこで、当初は予定のなかった東洋陶磁美術館へも足をのばすことにしました。(ここは日本のほか、中国、韓国・朝鮮の陶磁器コレクションが充実していて前にも訪れてことがありますが、良い美術館です)

人間国宝、濱田庄司氏(1894~1978)はバーナード・リーチとともにイギリスで作陶に励んだあと、栃木県益子に居を定め、生活に根ざした焼きものづくりに生涯をささげました。

20090308 濱田庄司展2.jpg

沖縄の焼き物も愛し、益子の土・風土にこだわった彼の作品は実用第一の丈夫で素朴なものが多く、一方でモダンな印象のものもあります。

20090308 濱田庄司展3.jpg

ずらりと並んだ抹茶碗を見ていると茶道のお稽古を再開したい気持ちが高まってきます。

20090308 濱田庄司展4.jpg

【おまけ】
同時開催は「中国のやきもの-明器の美」「安宅コレクション中国陶磁・韓国陶磁、李乗昌コレクション韓国陶磁・日本陶磁、沖正一郎コレクション鼻煙壷」

20090308 大阪市立東洋陶磁美術館 鼻煙壷.jpg

私、鼻煙壷も好きなんです。この小さな容器に素晴らしい技巧が凝縮され小さくても立派な芸術作品です。

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