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涼しさ招く ?!コレクション [アート&デザイン]

東京国立近代美術館工芸館で、この時期にもってこいの企画展が開催されています。
『おとな工芸館 涼しさ招く  こども工芸館 ?!コレクション』

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工芸館の建物は照明の意匠も素敵な洋風建築です。

20090711 国立近代美工芸館1.jpg

階段を昇って左右の展示室を企画展に合わせ、それぞれ「おとな工芸館」「こども工芸館」と分けて、テーマに合わせた収蔵品が展示されています。

おとな工芸館では、見ているだけで涼しさを感じる作品を展示。

Room1:まとう涼しさ

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(松原与七「藍型染 旋律」、芹川英子の木目込み人形「潮騒」)

上布や紗などの薄物の着物。色も藍染や白地、模様も竹や団扇など涼味を感じさせるもの。

Room2:みる涼しさ

磁器の鋭いエッジ、ガラスの透明感、青白磁のひんやりとした質感、白蝶貝を使った螺鈿細工、白竹の清々しさ。

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(木村芳郎「碧釉漣文器」) ラグーンのような青のグラデーション

質感、造形、色彩から涼感、爽快感を得られます。まさに暑い夏にぴったりの涼の世界。


一方、こども工芸館では、何だこれは?!という不思議な作品が並べられています。

Room6:のびる・うずまく・ねじれる・丸まる

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(高坂雄水「銀線飾壺」)

Room5-01:カラダカラ

20090711 !コレクション2.jpg 小名木陽一「赤い手ぶくろ」

Room5-02:カラフル・イメージ
Room4-01:機能的フォルム…だけど擬態したり、動きそうだったり
Room4-02:ジロジロ、フサフサ、ペチャクチャ

巨大だったり、陶器に人間の足がついていて動き出しそうだったり、模様が目・口のように見えたり。
子供の知性、感性を刺激すること間違いなし。夏休みの子供の学習・遊びの場に訪れるのもいいかも。

【おまけ】
人間国宝・巨匠コーナーには、伝統工芸王国、石川県出身の松田権六さん(1896-1986)の手の込んだ蒔絵螺鈿有職文飾箱も展示されていました。素晴らしい。

20090711 人間国宝松田権六.jpg

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クイーン・アリス・アクア [レストラン&フード]

東京国立近代美術館2階にあるレストランは、フレンチの鉄人、石鍋シェフのお店、クイーン・アリス・アクア

『ゴーギャン展』開催中は特別コースメニュー(2500円)がいただけます。

前菜。パパイヤの上には海老のカクテル。ジンジャー入りのスープが暑い夏に爽やかな味。

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ミネラルウォーターが入ったコバルトブルーのボトルを見ながらタヒチの海に思いを馳せる~

メインはローストポーク。

20090711 国立近代美クイーン・アリス・アクア2.jpg

添えられているのはマッシュポテトだけどジャガイモではない。甘いからサツマイモ?

デザートはナタデココ入りフルーツカクテルにココナツミルクのアイスクリームがのって。

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会話でざわついている室内よりもテラス席が気持ちいい。
正面に視線を向けると皇居沿いにジョギングする人たち。
ごめんなさいね~ 私、南の島のリゾートの気分なの~

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寝るひと 立つひと もたれるひと [アート&デザイン]

東京国立近代美術館では、絵画・彫刻・水彩・素描・版画・写真など、およそ9000点の美術作品を所蔵しているそうです。

4階から2階の所蔵品ギャラリーでは、そのうちの200~250点を選び、年に5回展示替えを行いながら、20世紀初頭(明治終わり・大正)から今日にいたる近代日本美術の流れを紹介しています。

また、テーマをたてた小企画展を行い、新たな角度から作品を鑑賞できるような試みを行っているのが面白いところです。

今回のテーマは、人物を描いた作品を並べ、画中の空間と平面としての画面、さらに鑑賞者の身体感覚の三者の関係をゆさぶる内容です。
題して『寝るひと 立つひと もたれるひと』

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草の生えた丘の斜面に横たわっている女性を描いた、萬鉄五郎の重要文化財指定の絵画『裸体美人』 見方によっては‘しな’を作るポーズをとって立っているようにも見えます。

一方、モノクロ写真の女性は膝を曲げて立っているように見えますが、実際の作品はタイトルのとおり箱の中で横たわっている人です。ルース・バーンハードの写真『イン・ザ・ボックス-ホリゾンタル』

たくさんある作品を切り口(テーマ)を変えてまとめなおすと、新しい視点が生まれますね。学芸員の腕の見せどころ。

【おまけ】
向かい合うひと。

20090711 国立近代美 アンソニー・ゴームリー反映思索.jpg

近代美術館2階のガラスをはさんで内側と外側のテラスに設置されている彫刻。イギリスの現代アーティスト、アントニー・ゴームリーの作品。(またしても!)

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ゴーギャン展 [アート&デザイン]

あっつ~い日にはいっそのこと南国の気分に浸るにかぎる!
というわけで、竹橋・北の丸公園東京国立近代美術館で開催中の『ゴーギャン展』を観てきました。

20090711 ゴーギャン展1.jpg
「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」(1897-98、ボストン美術館所蔵)

パリ生まれのPaul Gauguin(ポール・ゴーギャン、1848-1903)
幼少の頃、ナポレオンのクーデターによる迫害を危惧し母の縁故をたよってペルーへ。数年後、フランスに戻る。
パリの株式取引所で仲買人として成功を収め、デンマーク人の女性と結婚したが、カミーユ・ピサロなどの印象派画家たちとの交流から絵画への関心が深まり34歳で芸術家として生きる決意をし放浪生活が始まる。
自分の内なる「野性」に目覚めたゴーギャンは「楽園」を求めて、フランス北西部のブルターニュ、カリブ海のマルチニーク島、ゴッホと共同生活を送った南仏アルル、二度のタヒチ行き、最期の場所はタヒチから離れること千数百㎞のマルキーズ諸島。ここで漂白の人生を終えたのでした。

20090711 ゴーギャン展3.jpg

展覧会は三部構成。

第1章:野性の解放
初期の頃は印象派の影響で明るい光を感じさせる色彩、スーラのような点描への取り組みも見られます。
次第に単純化された形態と色彩で描き出す独自のスタイルを確立。

第2章:タヒチへ
「熱帯のアトリエ」に暮らす夢をあたためていたゴーギャン。南太平洋の島、タヒチへ最初に訪れたのは1891年のこと。
原初の人類に備わる生命力や地上に生きるものの苦悩をタヒチ人女性の黄金色に輝く肉体を借りて描き出した。
石像のようにどっしりした体躯の女性の顔には人の心の内をみすかそうとするかのような妖しい表情こそあれ、心からの笑顔はいっさいない。
蛇に誘惑されて禁断の木の実(りんご)を食べてしまうエヴァ(Eve)をモチーフにした絵を何点も描いている。
彼の絵は、タヒチの風土を思わせる赤褐色、と同時に緑や青をおびた色彩が画面を支配しゴーギャンの孤独感、不安を象徴しているかのようです。

第3章:漂泊のさだめ
いったん1893年にパリに戻ってタヒチで描いた作品を発表したが、全く受け入れられず。落胆したゴーギャンは1895年再びタヒチへ。
しかし、健康状態の悪化と貧困により制作がままならず、孤独は深まるばかり。
彼が精神的な遺言として制作したのが「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」という作品(上のチラシの絵、部分)
この大作で彼は、人類の起源・誕生(過去)~喜び・悲しみの始まり(現在)~死の運命を受け入れる(未来)を表現したのです。さらには、同じ画面の中に、再生の力をもつと言われる月の女神・ヒナを入れることで輪廻転生を描いたのかもしれません。

【おまけ】
ミュージアムショップで涼しげなグッズを発見。お買い上げ!

20090711 plastic fan.jpg

マウスパッドにもなるプラスチック製のfan。フランス製です。さすが、おしゃれだと思った。

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永遠のプリンセス? [ちょっとした話]

せっかくの(個人的な)三連休。結局出かけたのはきのうだけ。
あまりの暑さに今日はついに冷房をかけてしまった。湿度の低いイギリスの夏が恋しいわ~

で、きのうは北の丸公園にある国立近代美術館に行って、帰りは九段下から地下鉄に乗ろうと武道館前を通ることに。

近づくと何だか騒々しい。

20090711 武道館松田聖子コンサート.jpg

松田聖子のコンサートが開演する直前だったのです。
入場を急ぐ人たちは幅広い年齢層。松田聖子と同年代の夫婦もいれば、若いカップル、小学生くらいの孫を連れたおばあちゃんの姿も。
ピンクのフリフリのコスプレの女性はおそらく40代。
歌う人も聴く人も永遠にプリンセス気分?

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タグ:武道館

ペアウォッチ? [ちょっとした話]

おやっ?誰とのペアウォッチ?

20090704 デルフト焼柄スウォッチ.jpg

いいえ、単に同じものが二つになってしまったんです。

アムステルダムにあるRIJKS Museum(オランダ国立美術館)のショップ販売品のデルフト窯の絵皿をモチーフにしたウォッチ。
三年前に上司とのはじめての出張でアムステルダムに行った帰り、スキポール空港内にあったミュージアムショップで買った思い出の品。

先日止まってしまったのでデパートの時計売り場で電池交換をお願いしたところ、誤って裏のプラスチックを欠けさせてしまったとのこと。そこは老舗デパートの対応。(名前は伏せますが)
誠意をもって尽くせる手をとってくださいました。(正直言って、私は何も文句を言わずに、どこまでやってくれるものか見てみたいという好奇心だけでしたが)
最終的にはアムステルダムのミュージアムショップから取り寄せてくれたのです。

というわけで、今、私の手元に同じものが二つ。
大切に使いましょ。

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タグ:ウォッチ

L_B_S/名和晃平 [アート&デザイン]

銀座メゾンエルメスの8階フォーラムで開催中の『L_B_S/名和晃平』を火曜の仕事帰りに観てきました。
(こういうことができる生活に感謝)

名和晃平という若手アーティスト(1975年生まれ)
先日の高橋コレクションの展覧会『neoteny japan』で気に入ったばかり。

20090707 名和晃平PixCell.jpg

彼は、モノの「表皮」をテーマに作品を展開。Pixel(画素)とCell(細胞、器)を掛け合わせた「Pixcell」(映像の細胞)という造語を生み出した。

上の写真はガラスビーズを使った作品。
動物の剥製や日用品を大小のガラスビーズで覆っている。丸い透明なガラス玉を通すと中のモノが拡大され、表面が見える。

今回のメゾンエルメスでの展覧会では3種類の手法でCellの概念を表現した作品が3点見られました。L、B、Sはそれぞれの頭文字。

一つ目はLIQUID
シリコーンオイルを発光させ、グリッド状に泡を発生させる。
まるで乳白色の温泉が湧き出るように白い界面に絶え間なく大きな泡が生まれる。
作品名はPixCell_Saturation#2

二つ目はBEADS
巨大なエルク(鹿)が無数の透明なガラスビーズで覆われているさまは迫力。
作品名はPixCell-Elk#2

三つ目はSCUM
インターネットで取り寄せたモチーフの周辺に気流を発生させ、空中で衝突混合させたポリウレタン樹脂を吹き付ける。
モノの輪郭がぼやけ、まるで白い樹氷のようです。
作品名はVillus Villusとは柔毛の表皮

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