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広重《東海道五拾三次》一挙公開 浮世絵入門 [アート&デザイン]

広尾の山種美術館で開館記念特別展Ⅴ「広重《東海道五拾三次》一挙公開 浮世絵入門を鑑賞してきました。

20100711 浮世絵入門.jpg

最終日ということもあってか美術館に到着したときは入場制限がされていて待ち時間およそ15分でした。
しかし、待ってでも入って見るだけの価値はある展示内容でした。

保永堂版の初摺である歌川広重《東海道五拾三次》が画帖装の扉に用いられた題字の一枚を含め、すべて公開されるのは20年ぶりとのこと。(制作年は1833-36年頃、大判錦絵)
出発の日本橋から品川・川崎と進み、富士山を眺め、桑名・四日市、さらに草津・大津、そして終点の京都の三條大橋まで。旅先の風景、人々の風俗が楽しめます。見応えたっぷり。

同じく広重の《近江八景》(1834年頃、大判錦絵)

広重以外では、奥村政信、鳥居清倍(二代)、鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、勝川春章、勝川春好、東洲斎写楽、歌川豊国、葛飾北斎。

今回の展覧会では、タイトルのとおり、浮世絵の基礎知識が学べる解説がついています。

紅絵: 初期の浮世絵版画の中でも数が少ない。墨で摺ったあとに一枚ずつ彩色。元禄・正徳(1688-1716)には丹(鉱物質の鈍い赤)を主体とした丹絵だったが、享保(1726-36)に入ると植物性の透明感のある紅を主体とした紅絵が起こった。

漆絵: 黒の部分に膠を混ぜた墨を塗って、漆のような光沢を出した。

錦絵: 1740年代初め頃から、紅や緑・黄などの2,3色を使った簡単な色摺である紅摺絵がおこった。1765年、新春に配る大小暦の交換会の流行をきっかけに、より多くの色数を用いた錦絵が誕生した。

ごま摺: 版木に特殊な加工をほどこすのではなく、摺る際に馬連の力を加減して色つきにざらついた感じを出す。

板ぼかし: 通常よりも浅い角度で彫り、境目をなめらかに磨いた色板で摺る。

続絵(つづきえ): 錦絵の版木は山桜だが、大判を摺るときに幅が足らず何枚もの版木を使用してつなげた。

大首絵(おおくびえ): 人物の上半身をクローズアップした形式。役者絵など。

毛割(けわり): 髪の生え際の摺り

ベロ藍: 化学合成顔料であるプルシアンブルーのこと。18世紀初期にプロシア王国のベルリンで発明された。浮世絵には文政(1818-30)後期頃から用いられた。北斎の「冨獄三十六景 凱風快晴」の空の色。

拭きぼかし: 色板の版面を塗らした布で拭いて水気を与え、その上に刷毛で絵具をはいてのばす。絵具が水気でにじんだ状態で紙を置いて摺ることで、ぼかしの効果を得る。水や空に多用された。

雲母摺(きらずり): 鉱物の一種である雲母の粉を用いて画面に光沢を出す摺り方

浮世絵は、絵師・彫師・摺師の三者の息が合わないと良い作品が完成しない、コラボレーションの芸術です。

参考展示は菱田春草、上村松園、伊東深水、小早川清、片岡球子の近代絵画(日本画)
明治に入り、機械印刷の登場とともに木版画としての浮世絵は終わりを迎えたが、浮世絵の流れは日本画の美人画へと伝えられた。

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古屋誠一 メモワール. [アート&デザイン]

恵比寿の東京都写真美術館古屋誠一 メモワール. 愛の復讐、共に離れて…」を観てきました。

20100710 古屋誠一メモワール.jpg
(Wien 1983年)

1970年代からヨーロッパを拠点に活動する古屋誠一
1985年に東ベルリンで自ら命を絶った妻クリスティーネや家族を撮影した写真を中心に、会場展示は次の7つのゾーンで構成されています。
「光明」「円環」「境界」「グラビテーション」「クリスティーネ」「エピファニー」「記憶の復讐」

静かで、どこか重々しい写真の数々。

もう一つ、侍と私 -ポートレイトが語る初期写真-」も見ました。

20100710 侍と私.jpg

写真美術館では5月からポートレイトをテーマにした展覧会が3つ開催されます。
このあと、「私とヌード -ポートレイトは裸である-」「20世紀の人間像 -写真はポートレイトである-」と続きます。

【おまけ】
久しぶりの恵比寿へのお出かけのあとは日本橋へ。
今回の写真展に誘ってくれた“かしまし娘”の友人のご自宅にお呼ばれの夕食。

20100710 S子さんディナー.jpg
洒落たフレンチ・レストランみたいで感激~

空きっ腹にスパークリングワインがしみわたり酔っぱらってしまいました。

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オルセー美術館展2010 ポスト印象派 [アート&デザイン]

六本木の国立新美術館で開催中のオルセー美術館展2010 ポスト印象派」に行ってきました。

20100709 オルセー美術館展ポスト印象派1.jpg
(アンリ・ルソー「蛇使いの女」1907年)

パリ、オルセー美術館が印象派を中心にしたギャラリーの改装工事を行っているのに合わせ、名作100点余りが来日。半分以上が日本初公開だそうです。

20100709 オルセー美術館展ポスト印象派2.jpg
(左上からゴッホ「自画像」1887年、セザンヌ「水浴の男たち」1890年頃、
 ドニ「木々の中の行列(緑の木立)」1893年、
 ドガ「階段を上がる踊り子」1886-90年、
 ゴーギャン「タヒチの女たち」1891年、モネ「ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光」1904年)

会場構成は次のとおり。
第1章 1886年-最後の印象派
1874年、モネやピサロら若い画家たちが後に印象派展と呼ばれる初めての展覧会を開催。
1870年代の終わり頃から印象派の画家たちは各々の進むべき道を模索し始める。
主な画家と作品。
クロード・モネ「日傘の女性」、アルベール・べナール、エドガー・ドガ、アルフレッド・シスレー、カミーユ・ピサロ。

第2章 スーラと新印象主義
スーラは光学や色彩学など科学的な知識を応用し、独自の点描技法を考案。
スーラが亡くなった後、シニャックが新印象主義の理論を広く普及させた。
ジョルジュ・スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」の習作、ポール・シニャック。

第3章 セザンヌとセザンヌ主義
セザンヌの独特なヴォリューム感、平面的な筆致。油絵なのに、水をたっぷり含んだ水彩画のようです。
ポール・セザンヌ、モーリス・ドニ、ポール・ゴーギャン、パブロ・ピカソ

第4章 トゥールーズ=ロートレック

第5章 ゴッホとゴーギャン
一時期、アルルで共同生活を試み、悲劇的な破局を迎えた二人。
ゴッホは力強い筆致と激しい色彩による独特の画風と生み出し、ゴーギャンは力強い色彩による装飾的な画面に観念的な主題を描く独自のスタイルを確立。

第6章 ポン=タヴェン派
ブルターニュ半島の小村ポン=タヴェンで、ゴーギャンは平坦な色面に強い輪郭線というクロワゾニスムの手法で描くベルナールと出会う。
エミール・ベルナール、ポール・セリュジエ

第7章 ナビ派
セリュジエの描いた風景画「護符(タリスマン)」をきっかけに、ドニ、セリュジエ、ボナール、ヴュイヤールらがナビ派を結成。(「ナビ」とはヘブライ語で預言者を意味する)
シルクスクリーンのような平坦な色面を多用した装飾的な画面。

第8章 内面への眼差し
ナビ派(ボナール、ヴュイヤールら)と象徴主義(クノップフ、ハンマースホイら)。
心理的葛藤や滑稽さ、内面の孤独などを表現。

第9章 アンリ・ルソー
遠近法によらない独自の空間表現と独創的な色彩の対比やグラデーション。まるで飛び出す絵本のようです。
謎めいた、神秘的、不思議な雰囲気が漂います。

第10章 装飾の勝利
ナビ派は雑誌の挿絵やポスター、舞台芸術など、幅広い造形活動に携わった。

傑作ばかりで“満腹”です。

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大阪出張です [日記]

今日の夕方から大阪出張です。
三連休はそのまま石川県の実家へ。
でも、ブログは休みません。
毎日、記事をアップさせますので、お越しください。

イギリスの友人からラベンダー畑の写真が届きました。癒される~
CIMG0332.JPG

皆さん、素敵な一週間でありますように!

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タグ:ラベンダー
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フィンランド熱 [ショップ&買い物]

以前からスカンジナビア、フィンランドは気になる地域でしたが、最近、映画『かもめ食堂』(フィンランドのヘルシンキが舞台)を見たこともあって、ますます“フィンランド熱”が高まっています

※ひと口メモ※
スカンジナビア諸国と言えば、ノルウェー、スウェーデン、デンマークの3国。
時にはフィンランドもしくはアイスランドを含めることも。トータルして北欧諸国とも。

『かもめ食堂』の中で、もたいまさこが着用していたのがフィンランドのブランドmarimekkoの洋服。
先日は銀座店で衝動買いをふみとどまりましたが、表参道店で結局、お買い上げ~

20100708 marimekko.jpg
ボーダーの色の組み合わせがvividでいい感じ

marimekkoと言えば、ドコモのSummerコレクションにもおなじみの花柄模様unikkoが登場。
他にもエミリオ・プッチ、コンラン、franc franc、ケイト・スペードとのデザインコラボがあって、3月に機種変更したばかりだけど、端末を取り替えたくなります。(グッと我慢)

表参道ではGYREの地下にあるKALDI Coffee Farmでもフィンランドの人気者を見つけました。

20100708 ムーミン谷ビスケット1.jpg
ムーミン谷の仲間たちのカタチをしたビスケットが6袋。

20100708 ムーミン谷ビスケット2.jpg

キャラクターのおさらい。(左上から)
ムーミンパパ: 海と自由と危険、キャラメルを愛する冒険家
スナフキン: ムーミンの親友。自由と孤独をこよなく愛し、ひとり気ままに暮している。規則が大嫌い。
ムーミン: 好奇心が強く思い込んだら突っ走ることもあるが、やさしくて勇気のある男の子
スニフ: 好奇心旺盛だが臆病でワガママ。宝石などのキラキラ光るものが大好き。
フローレン: ムーミンのガールフレンド。前髪が自慢で、おしゃれが大好き。
リトルミィ: 体は小さいけれど好奇心と気の強さは誰にも負けない。誰に対しても思ったことはズバっと言う。
スティンキー: ムーミン谷に住む不思議な生き物。ムーミンたちに罠をはめる機会をうかがっている。
ニョロニョロ: 夏至祭の前日に蒔かれた種から生まれ、電気を食べて育つ。いつも群れで行動。
ムーミンママ: 人の世話が大好き。ハンドバッグには皆の世話を焼くために必要なものが入っている。

私の好きなキャラクターはリトルミィとニョロニョロ。

こんなに可愛いのに220円。安い!
販売はなんと金沢市の北陸製菓株式会社。郷土のメーカーさん、頑張っています。

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須田悦弘展 [アート&デザイン]

仕事帰りに銀座へお出かけ。ルンルン♪(って古い表現?)
1丁目のGallery Koyanagiで開催中の「須田悦弘 展」を観てきました。

20100707 須田悦弘展.jpg
訪れた日がちょうど作品集の発行日で、早速購入。(泰山木の作品)

精巧な木彫の植物に彩色した作品を空間の中でさりげなく配置するインスタレーション。
今回は、昨年ホノルル現代美術館で開催された個展の出品作品に新作を加えて展示されています。
ガラーンとした展示空間に作品は11点。チューリップ、朝顔、萩、芍薬、ツツジ、ドクダミ、木蓮。
葉の虫喰い、散った花びら。近づいて、よーく見ないと本物の草花と見間違えます。
また、配置図で確認しないと作品がどこにあるのか見落としてしまいそうです。

笑い話のような本当の話。
彼の代表作品に「雑草」があり、いつものように何気なく床や壁際に配置されていて、美術館の閉館後に清掃員が見つけ、本物の雑草が生えていると誤って取り除いて捨ててしまい、翌日、展示されているはずの作品がなかったという事態があったとのこと。

20100707 須田悦弘展3ドクダミ.jpg
しゃがみ込んでカウンターの脚元を見るとドクダミ(210万円)

こんな素敵な個展を無料で鑑賞できるなんて、しあわせ。

【おまけ】
銀座の街って、やはりワクワクする。
素敵なブティックがたくさんあるし、無料で気軽に入れるギャラリーもある。
メゾン・エルメスの8階フォーラムで細川護熙「市井の山居」展(絵画、陶芸作品)が開催されているので立ち寄ってみたけど既に閉館していた。残念。
フィンランドのブランド、marimekkoのショップにSaleの文字が見えたので店内へ。可愛い大きなプリント柄のワンピースとチュニックを試着したけど、踏みとどまって衝動買いはしなかったよ。エライ!

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PLEATS PLEASE Arabesque [定番 PLEATS PLEASE]

まだ梅雨真っ只中だというのに、ファッション界では夏のバーゲンの最中。そして秋冬ものが少しずつ店頭に並び始めています。

勘のいい方はすでにお気づきでしょうが、はい、私、東京ミッドタウンのPLEATS PLEASEでお買い物してきました。

先週末からAutumn/Winterの商品が入荷したのです。
2010年秋冬のテーマは「NOMAD」(ノマド=遊牧民)
「必要最小限のものだけを持ち、しなやかに誇り高く生きるノマドのスタイル、精神の自由さ」
地域のイメージは中東、東欧、中央アジア。

7月最初のラインアップはArabesque
20100706 Pleats Arabesque1.jpg

一見、ワンピースに見えますが、上下別々。
斜めのアラベスク模様が体の線をスレンダーに見せる効果あり。
太めのベルトでウエストマークしてもいいし、ジャケットを羽織るとオフィスへも着ていけるかな。

太って肉付きがいい今はプリーツ以外の服は買わないでおこうと心に誓っています。体に合わせて大きめサイズを買うことになってしまうから。頑張って体を引き締めたあとのご褒美にとっておこうと。

Saleのかわりにダブルポイント期間中なので、Arabesqueのソックスも買っちゃいました。
20100706 Pleats Arabesque2.jpg

全然、“必要最小限”の持ち物ではないですね。

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